次の学年につながる! 当番・係活動 学年末のまとめ
4月から始まった当番や係活動。活動を通して、友達や学級のために働く大切さや喜びを感じることが大切です。1年間の当番・係活動のふり返りを通して、自分や友達の成長を感じて進級できるようにしましょう。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・柳生実華
目次
まずは個人でふり返る
次のようなワークシートを使って、個人で係活動の取り組みをふり返ります。キャリア・パスポートを活用して、一・二学期のふり返りを見ながら、1年間のふり返りを行うのもよいですね。
係ごとのふり返りを学級全体でのふり返りにする
一人ひとりのふり返りができたら、学級全体でのふり返りにつなげましょう。帰りの会で教師が当番ごとに「〇〇当番は〜をがんばっていたね」と称賛したり、賞状を作って渡したりするのもよいでしょう。
学級活動(1)で、「係がんばったね会」を計画して、行うのもよいですね。
司会者やはじめの言葉、プログラム、終わりの言葉など、担当を決めて、それぞれの係から1年間の係活動をふり返って発表をします。
例えば、あそび係では、みんなの好きな遊びランキングを発表したり、クイズ係では、1年間のクラスの出来事をクイズにして出題したりします。各係の発表の後、「〇〇だったで賞」のような表彰状を、あらかじめ決めておいた担当や教師から渡すのもよいですね。
クラスのために活動してくれた係に対して、感謝の気持ちを述べ合う時間があると、「やってよかった」という気持ちを高めることにつながります。担任の教師から、「〇〇係のおかげで、楽しい気持ちになれたね」や、「〇〇係の企画でクラスのみんなのことがよく分かったよ」などと声かけすることも大切です。
まとめのアイデア
スライドショーでふり返る
一学期からの当番や係ごとの活動の様子を写真に撮っておき、スライドショーにしてまとめてみてはいかがでしょう。係ごとにポスターをかいたり、計画をしたり、企画を行ったりしている様子を写真に写しておきましょう。最後は、係ごとに集合写真を撮ってあげるのもおすすめです。がんばったことなどを、写真とともに文字にしてスライドショーにまとめることで、自分たちががんばってきたことを実感することができます。
思い出の記録ノートでふり返る
掲示板に貼ってある各係からのお知らせや活動の記録を、そのまま綴じ込んで記録ノートにしてもよいでしょう。いつでも誰でも見ることができます。活動の様子の写真をプリントアウトして一緒に綴じ込んだり、表紙を工夫したりすることで、素敵な記録ノートになりますよ。
学級活動(3)でふり返る
当番や係活動は、学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と自己実現」の内容「イ.社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解」の題材として指導することができます。低学年であれば、導入をペープサートや紙芝居などにして提示することも効果的です。
終末では、次の学年の教師から「〇年生ではこんなことができるようになるといいね」というメッセージをもらって読んであげるなど工夫することで、次の学年のイメージをもって、当番や係活動をもっと充実させようという気持ちになるでしょう。最終的には、次の学年のことを考えて、「学級のために自分は何をしたらよいのか」を具体的に考えて意思決定できるとよいですね。
ふり返りを大切に
当番活動や係活動では、活動だけではなくふり返りを大切にしていきたいものです。とはいえ、低学年の子供たちにとって、1年間の最後にまとめてふり返ることは難しいものです。帰りの会や学級だよりを通して、日々ふり返る機会をつくるとともに、ぜひ、キャリア・パスポートも活用して、当番や係活動における自分の役割をふり返るようにしましょう。ふり返りを積み重ねていくことで、自分自身や友達の変容、成長を実感できるようにしていきたいものです。
学級での係や当番活動を通して、どんな自分になれたか、どんなクラスに成長できたかを学級全体で確認し、次の学年に自信をもって進級できるようにしたいですね。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より