かけ算九九はゲームで指導【後編】授業で使える楽しい活動9選
かけ算九九を覚えるためには、何度も繰り返し唱えて練習するより他はありません。しかし、ただ単調に唱えるだけでは、子供にとって辛い苦行になってしまいます。後編では、目先をちょっと変えるだけで九九練習が楽しくなるゲーム要素を取り入れた9つのアイディアを紹介します。楽しい活動が、子供の主体的な姿を生み出します。
執筆/富山県公立小学校教諭・前田正秀
■「かぞえ対決」「決まり見つけ」のゲームを紹介!→かけ算九九はゲームで指導【前編】
九九修行の旅
〈やり方〉
①自分の席で5回九九を唱えて、ドアの前に移動する。
②ドアの前で5回九九を唱えて、廊下に移動する。
③廊下で5回唱えて・・・というように、移動しながら九九を唱えていく。
単に場所を移動しながら九九を唱えるだけなのですが、こうしたちょっとした目先の変化が子供には嬉しいようです。子供たちは夢中になって取り組みます。旅の途中に「先生の前で唱えてチェックする関門」を設けたり、「4×9→4×8→4×7・・・と下から唱える関門」を設けたりしても面白いでしょう。子供の実態に合わせていろいろな工夫を凝らすことができます。
九九相撲
〈やり方〉
①子供2人が向かい合う。
②行司(教師)が「はっけよい、のこった」のかけ声と共に、九九カードを見せる。
③早く答えた方が勝ち。
単に九九を素早く答える活動なのですが、「にぃしぃ、〇〇山~」「ひがぁしぃ、○○海~」「はっけよい」と、相撲っぽく演出するだけで、子供は盛り上がります。個人戦だけでなく、列ごとにチームをつくって団体戦を楽しむこともできます。ちなみに私は以前、授業参観で「大人vs子供」の対決をしたことがあります。子供も保護者も、すごく盛り上がりました。
九九ビンゴ
〈やり方〉
①3×3マスのビンゴの枠をノートに書く。
②その日に学習した段の答えをマスに記入する。
③教師が式をランダムに読み上げる。
④子供が答えを言いながら、○を付けていく。
⑤縦か横か斜めの1列がそろえば、ビンゴ!
ビンゴをつくる際には「4の段のビンゴを20秒でつくりましょう」など、時間を制限するのもいいでしょう。9マス埋まらないと損をするので、子供たちは素早く書こうと必死になります。ビンゴをする際には、大きな声で答えを言いながら丸をつけさせます。声に出すことで、九九を覚えやすくなります。
イラスト/設樂みな子
『小二教育技術』2018年10月号より