【相談募集中】補助の先生が授業中、勝手に指導をし始めます

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佐賀県公立小学校教諭

小倉美佐枝

補助の先生に授業を横取りされて困るという相談が「みん教相談室」に寄せられました。これに回答したのは、みん教の音声番組・ミサエラジオでの愛情深いポジティブトークで人気の佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生。先手で行動することで、教師スキルを上げるきっかけとなることもあると話します。その内容を紹介します。

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Q. 補助の先生に段取りをジャマされて、授業がやりにくい

2年生で単級を担任している者です。私の学級には補助の先生が来られます。学習が困難な子や丸つけなど、手助けをしていただいています。ですが、その先生に悩みがあります。私の段取りで授業をしていると勝手に前に立って指導をし始める時があります。授業中に意図的に指示を出さなかった時も、こちらの意図も聞くことなく大きな声で先々進められる時もあります。

私自身、至らない所があってのこととは思いますが、やめてほしいと思います。また、この先生はいろいろな所でコソコソと私のミスや他人の悪口や噂話をいろいろな先生に言いふらします。ミスを隠したいわけではありません。しかし、段取りを邪魔されて、こちらも授業中に混乱してしまうこともミス扱いとして言いふらされるのはたまったものではありません。

私は誰かの悪口は言いたくないので、他の先生には言えていません。正直、この先生は補助に一切入ってほしくないところまで来ています。ですが、子どもたちのことを考えると手厚い指導のために人が多い方がよいのも確かです。どうすればこの先生と上手く付き合っていくことができるでしょうか。(おさる先生・20代男性)

A.行動次第で、その先生が教師スキルを上げる味方になってくれることも

お話を受けて、私も質問したいことがあります。

「補助の先生」とは、果たして…。担任外(級外)の先生であるのだろうなあと想像しました。基本的に、担任外の先生が入る状況には、何らかの理由があって、そのような体制を組まれているのだろうと考えられます。この点については、改めて、管理職の先生方と確認してみてはいかがでしょうか。

今回、ご相談内容に書かれているお話を読み、この体制での話合いをされたかについても気になりました。管理職を含めたかどうかはさておき、担任の先生(ご相談者)と該当の先生(補助の先生)との間で、ある程度の取り決めをしておくことが必要だったと私は思います。

先輩の先生がサポート(T2)として学級に入るときには、担任側の意向を伝えておくことは大切です。担任(T1)ともう1人の先生(T2)の役割分担や指導上の構え方については、お互いに確認しておくとよいですね。

そして、どのような状況下においても「コミュニケーションは先手必勝」と、心に留めていただけるといいなあと思います。若手の先生方や経験年数の浅い先生方が授業をしていると、先輩の先生方からするとどうしても不足が見えてしまうものです。

書かれているように、授業後にいろいろと言われてしまうことに関しては、悔しさや残念な気持ちが込みあげてきますよね。似たような経験を、私も味わってきましたから、よくわかりますよ。こういうときこそ、「先手」で行動してみてください。手間や時間を使ってしまいますが、行動あるのみです。

では、どういう行動をするかといいますと……

その先生が横取りした形になったり、その先生の言動がご自身が意図しない状態であったりした授業があった場合、昼休み・放課後に、必ず、その先生の所へ足を運び、教えを乞うてみましょう。

「〇〇先生、今日もありがとうございました。今日の授業のとき、〇〇先生が授業の途中で言われて、助かりました。私としては、(考えていたこと)をしようと思ったのですが……、何か足りなかったですよね。自分でもわからなかったので、教えていただきたいです」

このように、客観的に授業を観ているその先生だからこその気づきがあることでしょう。こういう状況をチャンスだと思って、教えてもらうのです。実は、この会話こそ、その先生に悪口や噂話を言わせないための予防策でもあるのです。

「昨日の敵は今日の友」ということわざがあるように、ご自身の行動や状況を変えてみるだけで、その先生が、ご自身の教師スキルを上げるための、力強い味方になるかもしれませんよ。先生は、たいてい、教えたがりなのです。頼られたら、嬉しくなるものです。先輩の先生方も悪い気はしないと思いますよ。

そうやって、その先生とのよりよい関係を築くことが少しずつできたのならば、その先生は、「授業中、どのようなサポートをしたら、この先生がより成長するだろうか」と少し考えてくださるようになるのではないでしょうか。

正直、私も若手の先生方のサポートに入らざるを得ない状況になるときもあります。そのとき、私自身も耐えています。「私が前に出てしまえば、子どもたちはきっと今以上の方向に進むだろう、でもそれでは、この先生が成長しない」と思っているのです。

ぜひ、その先生と向き合って、お話ししてみてください。自分も教師として成長したい!! 先生の力を貸してください! くらいの気持ちで話しかけてみてくださいね。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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