給食週間の取組〜食事の方法を見直そう

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この時期、給食週間をつくり、全校で活動に取り組む学校も多いでしょう。この機会に、「食」についてじっくりと考え、よりよい食習慣の形成につなげていくことが大切です。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子

イラストAC

学級活動(2)の授業から

「食育」については、学級活動(2)の時間で取り扱うことができます。学校全体で年間指導計画を作成していると思いますので、事前に学校や学年の先生方に確認して取り組みましょう。

専門性を生かし連携を図った指導を

学級活動(2)で取り扱う内容は、「だいたいは知ってはいるけれど……」「頭では分かっているけれど……」というようなことが多いのではないでしょうか。そこで、専門的な立場からの正しく詳しい指導をしてもらうとよいでしょう。栄養職員(栄養教諭)や養護教諭との連携を図り、授業展開や、提示する資料の内容などを一緒に考えてもらったり、授業に入ってもらったりするのもよいでしょう。

実践例

事前の活動

自分の課題に気付く

自分の食事のしかたをふり返り、自分はバランスよく給食を食べられていると思うかのアンケートをとります。

本時の活動

解決策を話し合い、めあてを決める

  • 事前の活動をふり返り、自分たちの食べ方を思い出します。給食時に撮影した写真や映像がある場合は、それらを見せてふり返ります。
  • 「バランスのよい食事」とはどういうことか、なぜ必要なのかを栄養職員(栄養教諭)から話してもらいます。
  • 自分に合った量をバランスよく食べるためにはどんなことを意識したらよいかということをクラスで話し合います。
  • みんなから出た解決策から自分に合ったものを選び、自分のめあてを決めます(活動カードを作成し、めあてを記入できるようにするとよいでしょう)。
  • 本時のふり返りをします。

事後の活動

めあてを実践してふり返る

  • 本時で決めためあてを、1〜2週間の期間を決めて実践します。めあてを書いた紙を教室内に掲示して常に見えるようにしておくと、みんなで意識しやすくなります。
  • 実践後は、学級全体でふり返りの時間を設けると、認め合いの場にもなり、子供たちの意欲を高めることにつながるでしょう。

これらの活動を、給食の取り組みから家庭での食事に広げると、より「食習慣の形成につながります。

調理員さんにありがとうを伝えよう

給食週間の前後に先ほどの学級活動(2)の授業をすると、子供たちの「食」に関する意識がぐっと高まります。その他にも給食週間では、「食」に携わる方々について知り、感謝の気持ちをもつこともとても大切です。

給食週間の取組例

❶調理員さんのお仕事に密着

普段なかなか見ることのできない給食室での調理員さんの仕事の様子をビデオで撮影し、それを子供たちに見せます。映像を通して、たくさんの量を時間内に作るために、調理員さんたちが努力をしていることを感じられるでしょう。

自分の給食の食べ方を見直すきっかけにもなります。また、おいしい給食を毎日作ってくれていることへの感謝の気持ちも湧いてくるでしょう。

❷調理員さんにインタビュー

学校栄養職員(栄養教諭)や調理員さんに協力してもらい、子供たちが直接インタビューできるとよいでしょう。

インタビューで聞いたことを模造紙にまとめて校内に掲示したり、新聞にまとめて各教室に配付したりすることもできます。

インタビューの内容も、全校児童から募集してみるのもおもしろいでしょう。

普段はなかなか接する機会の少ない調理員さんですが、インタビューの活動を通して、以前より身近な存在に感じてもらいたいものです。

さらにインタビューを通して、食材を運んでくれる方や生産者の方々の存在にも気付くことができるとよいでしょう。

❸調理員さんに感謝の気持ちを伝えよう

活動例

ありがとうメッセージを書いて渡す
メッセージを模造紙にまとめ、給食室近くに貼っておくのもよいでしょう。

調理員さんに「ありがとうビデオレター」を作って見てもらう
全校の児童もこのビデオレターを見ることができると、学校全体で感謝の気持ちが広がっていることを実感できるでしょう。

このような活動を行う場合、できれば調理員さんから一言でもよいので感想をもらえるとよいでしょう。双方向のやりとりになると、調理員さんに対する子供たちの思いが高まります。全校に活動を広げる場合は、学年の中で話し合い、一つの学級だけの活動にならないようにしましょう。給食委員会主催の場合は、学年として協力して取り組み、それをきっかけに、学級での取組に発展させてもよいでしょう。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より

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