効果的なほめ方で子供たちを伸ばす教師になろう
子供はほめられることで成長していきます。特に教師からほめられれば自信が付き、もっとがんばろうという意欲が高まります。効果的なほめ方を意識しながら、子供を伸ばすことができるようにしましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・杉本竜太
目次
ほめるということは
子供をほめるということは、子供の言動を価値付けることであり、認めるということでもあります。子供はほめられることで、安心して自分を出せるようになり、自己肯定感を高めることができます。
教師が一人の子供をほめることで、よい手本を周りの子供に示すことにもなります。友達がほめられるのを見て、子供は自然と望ましい姿をめざすようになります。
さらに、教師を介さなくても、子供たち同士が互いに認め合うことにもつながります。
だからこそ、教師は意図的に、効果的なほめ方をすることが大切です。
「何」をほめるか
「行動」をほめる
子供の姿を見て、その行動をほめることは基本中の基本です。「○○さんのあいさつは、とても気持ちがいいね「□□さんは、教室の隅々まで雑巾がけをしてくれているね」など、特に学級全体に広げたい行動は、みんなの前で進んでほめるようにします。
「しようとしたこと」をほめる
よい行いをしようとしたけれど、結果としてうまくいかないこともあります。そんな様子を教師は見逃さず、結果だけでなくその過程を認めることで、子供はまた次にがんばろうと思うことができます。
「望ましい姿」をほめる
中学年の子供に対して、低学年と同じようなことをほめていては、子供は成長しません。中学年として望ましい姿を積極的にほめることで、子供はその姿をめざします。例えば、係や集会で自分の役割を果たしたこと、学級やグループなど集団のために貢献したこと、めあてを意識して達成したことなどをほめるとよいでしょう。
「誰」がほめるのか
担任が子供をほめることで信頼関係が強まり学級経営にもよい影響を及ぼします。他にも第三者を介してほめることも効果的です。「○○先生が、みんなのことを友達に優しくてすばらしいと言っていたよ」と間接的にほめることで、いろいろな人に認められていることを実感し、自信を深めることができます。
ほめ方は個に応じて
子供によって、みんなの前でほめられたい子供もいれば、個人的に言ってほしい子供もいます。学年が上がるにつれて、ほめられるよりも感謝されることで意欲が高まる子供も増えてきます。教師が子供をよく見て、どんなほめ方をすれば子供が伸びるかを考えながら、意図的にほめるようにしましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より