ノートの総点検 説明文 【小1国語 京女式書くことの指導】13
今回は、ノートの総点検を通して、書くことの指導術を紹介します。ノートの点検ポイントは、事柄を順序よく書いているか、感想を書いているか、具体的に書いているかなど。「説明文」を例に、書くことの点検ポイント、さらに二年生につなげるところを紹介します。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。
執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
目次
二年生につなげる書くことの総点検
●具体的に書く
課題を決め、答えになるものを考えさせたノートです。事柄を順序よく書いているか、感想を書いているかということに着目してノートを点検します。幅広く言語活動をした授業では、学習活動と言葉の習得を一体化した育てるノートになっているか点検をします。
〈どんな車があるかな〉という項目と具体的な車がきちんと整理されているかを点検します。ポンプ車、しょうぼう車など、具体的な車の上に「・」をつけて、よりわかりやすいノートにしており、思考的にも整理されている様子がよくわかるノートになっています。
学習の要点をよく捉えています。それは、人のために働いている車を表現しているからです。また、それぞれ、それがどの車なのか、具体的に書いていると学習成果がよくわかります。
改善点としては、「ポンプ車のことがよくわかりました。」「パトカーは知っていました。」というように、具体的な車の名前を書き加えると、後からノートを見返しても思い出す手がかりが残ります。ます目からはみ出さないように書いています。そのため、読みやすく美しいノートになっています。
「考えました」「わかりました」という言葉ですべてを表現した気分になる傾向が生まれてきます。これらは一年生後半の子供にとって、少し値打ちのある言葉という思いが強いのです。これを続けさせると、感想は「うれしかった、楽しかった、おもしろかった」という方向に流れていくことがあります。具体を書き込ませることで、安易に流れようとする言葉の使い方に歯止めをかけるようにします。
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吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。
構成/浅原孝子