小4らくらくUnit 6「Alphabet」④【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 2 Unit 6「Alphabet~アルファベットで文字遊びをしよう」の第4時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 6「Alphabet~アルファベットで文字遊びをしよう」全4時の4時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
アルファベットクイズにチャレンジしよう!
【単元目標】
〇身の回りには活字体の文字で表されているものがあることに気付き、活字体の小文字とその読み方に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇身の回りにあるアルファベットの文字クイズを出したり答えたりする。(思考力・判断力・表現力等)
〇相手に配慮しながら、アルファベットの文字について伝え合おうとする。(学びに向かう力・人間性等)
【言語材料】
○Look. What’s this? Hint, please. How many letters? I have (six). Do you have (a “b”)? Yes, I do. / No, I don’t. That’s right. Sorry. Try again.
○小文字 (a~z), letter, try, again, bookstore, juice, news, school, station, taxi, telephone
[既出]What do you want? up, down, left, right, look, shop, 数 (1~60), 大文字 (A~Z), 身の回りの物など
- 挨拶
- ABCの歌
- アルファベットレース
- ABCの歌(2倍速)
- デジタル教科書P25 →めあて Touch the color game
- 隠れている色は何?(サイモン編)
- デジタル教科書P25 Activity②
- ふりかえり
各活動の流れ
①挨拶
挨拶のあとにUnit5までに学習した What ○○ do you like? 等の質問を児童にしてみてもよいでしょう。
②歌
1時目にも扱った ABC song です。朝の会などでも扱えるとよいですね。
③アルファベットレース
毎時間行っているレースです。曲を変えて2回行いましょう。
④ABCの歌(2倍速)
アルファベットのカードを児童が教師に戻している時に流すと、隙間の時間も活用でき、時短につなげられます。
⑤デジタル教科書P25 Touch the color game → めあて
Open your textbooks to page 25. You can see colors here.
Let’s play “Touch the color game”.
教師が発音した色を児童はタッチします。教科書だけでなく身の回りの着ている服や文房具を活用してもよいでしょう。詳しくはこちらのページをご覧ください。ここから本時のめあてにつなげてみましょう。
You have quiz here. (と言って、教科書P25の□□□□□□の部分を指で示す)
So, today’s goal is “アルファベットクイズにチャレンジしよう”.
他の授業同様、実態に合わせて児童からめあてを引き出してみてください。
⑦隠れている色は何?(サイモン編)
デジタル教科書の Activity につなげられるように、本連載でたびたび登場するMr.サイモンで練習していきます。
の中には、色を表すアルファベットが隠れています。何色が隠れているか、児童とやり取りをしながら進めていきます。
まずは例として表示されたスライドを使って、ALTとデモンストレーションを行いましょう。答えはgreenです。どのスライドにも、青いの図形は6個あります。もし3個しかないとなると、「redかな?」と文字数から児童が推察できてしまうためです。
Look at the slide. You can see Simon here. If Simon touches Gold Simon, you are the loser. Watch our demonstration.
質問する人(ALT)は、Do you have a “g”? の形で質問します。ここで、この Do you have ~の形を使うのは、デジタル教科書のP25のActivity①、Activity②で使うからです。児童がそれらの学習に取り組むころには自信をもって参加できるように少しずつ慣れ親しませましょう。
(例)green が答えの場合
質問者が Do you have a “g”? と質問すると、g がの中にあるので、答える人(教師)は Yes, I do. と答えます。もし質問が Do you have a “w“? なら、green にはwのアルファベットはないので、答える人は No, I don’t. と答えます。No, I don’t. の場合は、サイモンが一歩前進します。サイモンが最終的に Gold Simon に触るとゲームオーバーとなります。児童はドキドキしながら取り組みます。
パワーポイントの操作の注意点は、通常スライドを進める場合はEnterキーや矢印キーを押して進めていると思います。しかし、今回の活動の場合は、児童がどこのアルファベットの質問をしてくるか分からないので、図形の上でクリックします。図形の上にカーソルを移動すると手の形のカーソルが出るので、そのまま図形の上でクリックしてください。
サイモンを移動させる場合も同じです。サイモンの絵の上でクリックすると1つ移動する設定になっています。右の顔のマークをクリックすると正解が表示されます。
デモンストレーションはALTと以下のように行ってみてはいかがでしょうか。
Do you have a “g”?
Do I have a “g”?
<この問題の中にgはあるかな?>という演技をしながら英語を言いましょう。また、手元にメモを準備しておけば、何番目にgがあるかを確認することもできます。
Yes, I do.
と言って1番目のをクリックします。すると以下のような表示になります。
児童は教科書を見ているので、g から始まる色が何か探し始めます。そしてALTに次の質問をするように Next question, please. と言いましょう。
ここで Answer, please. と言うのではなく、質問を続けさせます。ここでの意図は Do you have ~? の表現に慣れ親しませることと、そしてその後の教科書の Activity 2 につなげるためです。
Next question, please.
O.K. Do you have a “o” ?
Do I have a ”o”? Hmmm, let me think.(と言いながら考えるふりをします)
No, I don’t.(と言ってサイモンをクリックして一歩進めます)
Next question, please.
Do you have a “e”?
Do I have a “e”? Yes, I do. I have two.
と言ってクリックを3番目と4番目の□の上でクリックします。
ここで児童の様子を見て、分かっていそうなら答えに行ってもよいですし、理解してなさそうなら次の質問を行うこともできます。
Answer, please.
Green?
That’s right. Green is the answer. Good job.
This is how your game is over. と言ってゲームオーバーのやり方も提示しておきましょう。サイモンを Gold Simon にタッチするまで進めます。すると以下のようなアニメーションになります。児童は「わー」「なるほど」「そういうことね」などリアクションしてくれると思います。
It’s your turn.
と言い、実際に問題を出していきましょう。
※問題はスライド順で5問用意してあります。
①red
②orange
③brown
④pink
⑤black (順不同)
⑥yellow(順不同)
①②③④は例と同じ形です。⑤⑥は少し難易度をあげてスペルの順番を変えてあります。①~⑥まで手元にメモをとっておくことをお勧めします。特に⑤⑥は必要です。
↑答えはこのような形になるので、手元のメモがないと、さすがにどこにどのアルファベットがあるか忘れてしまいます。この活動は、事前に練習時間を与えなくても、活動させながら慣れ親しませることができる活動です。必要がない、数だけこなすリピートは避けられる時はやめてみましょう。
⑦デジタル教科書P25 Activity②
好きな色を一つ選んで、その色の文字について友達と尋ね合い、相手の選んだ色を当てる活動です。まずはいつも通りALTとのデモンストレーションで児童が活動内容を理解できるようにしましょう。
This is my favorite color.
と言って□の中に文字を入れた状態で児童に見せます。その時にALTには目を閉じてもらったり手で覆ったりして、見ていないことが分かるようにしましょう。
This is my favorite color. と言うときはハートマークのジェスチャーをして見せたり、I like this color. と児童の知っている表現を使うことも考えられます。
O.K. Let’ me challenge.
さきほどのサイモンの時と同じようにデモンストレーションをしてみましょう。デモンストレーションでは、以下のようなワークシートを提示しながら質問をALTにしてもらうようにしましょう。
何のアルファベットを聞いたか、実際に活動すると多くの児童が忘れてしまう様子が見られました。メモを取りながら同じ質問をしないでもできるように提示していきましょう。
Do you have a “w”?
No, I don’t. I don’t have a “w”.
と答えたら、デジタルペンを使ってwのある色に×をしていくとよいでしょう。ワークシートの使い方もデモンストレーションで説明してしまうと効果的です。
このように×を書き込んでいくことで児童がどの文字の質問をすればよいか絞ることができます。あとは、同じ形でALTに質問してもらいましょう。デモンストレーションが終わったら児童の番です。
Now, write down your favorite color here. What color do you like?
色は教科書の10色から選んでね。
教師は机間巡視をして児童の活動をサポートしましょう。全体でスタートする前に上位児童に質問に答えてもらう側をやらせることもできます。児童の理解が足りないと感じる場合は是非行ってみましょう。何をしてよいか分からない、活動を見通すことができないままインタビューのアクティビティーをスタートすることがないようにしてください。もし代表児童でデモをもう1度行う場合は、その児童はデモ後に2番目に好きな色を書かせてから全体の活動をスタートしましょう。ワークシートは裏表に以下のように印刷して使うとよいと思います。
●教師は評価を行う
●身の回りにあるアルファベットの文字クイズを出したり答えたりする。(思考力・判断力・表現力等)
●相手に配慮しながら,アルファベットの文字について伝え合おうとする。(学びに向かう力・人間性等)
⑧ふりかえり
本時のめあてから振り返りをしましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子