小3らくらくUnit 6「ALPHABET」②【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit 6「ALPHABET~アルファベットとなかよし~」第2時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 6「ALPHABET~アルファベットとなかよし~」全4時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
歌を歌ったり、カードを使ったりしてアルファベットの大文字に慣れよう!②
【単元の目標】
〇身の回りには活字体の文字で表されているものがあることに気付き、活字体の大文字とその読み方に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇自分の姓名の頭文字を伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら、自分の姓名の頭文字を伝えようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
○(The “A” card), please. Here you are. Thank you. You’re welcome.
○大文字 (A~Z), the, card, alphabet, please, here, thank, welcome, 数 (21~30, 0), book, drum, fish, gorilla, hat, ink, jet, king, monkey, notebook, pig, queen, rabbit, sun, tree, umbrella, violin, watch, box, yacht
単元の流れ(例)
- 挨拶
- 歌
- めあて
- What’s missing?
- Switch Game
- アルファベットレース
- YouTubeでアルファベットさがし
- 漢字からアルファベットさがし
- デジタル教科書P22、23アルファベットさがし
- ふりかえり
各活動の流れ
①挨拶
挨拶のあとにUnit 5までに学習した What ○○ do you like? 等の質問を児童にしてみてもよいでしょう。
②歌
これまで歌ったことのある数字とten stepsと1時目で扱ったABC songを歌いましょう。
Let’s sing a song. Everyone, stand up.
③めあて
④What’s missing?
1時にも行った活動です(行い方は授業開きで説明しています。そちらを参考にしてください)。板書には印刷してある26文字のアルファベットのカードを貼っておきましょう。
⑤Switch Game
1時にも行った活動です。前時の記事を参考にしてください。
⑥アルファベットレース
③④⑤は、1時目と同じ活動ですので短時間で行いましょう。児童もやり方が分かっているのでテンポよく進めることができると思います。
⑦アルファベットさがし
画面に形の似たアルファベットが出てきます。例えば下のようにWとMのように、1つだけ違うアルファベットを見つける活動です。単元の後半に行うアルファベットの仲間分けの活動へも繋がる活動となります。答え合わせは児童に画面をタッチさせるのがよいでしょう。
YouTubeにも同様のクイズがたくさんあるので活用してもよいでしょう。YouTubeで見せる場合は、一時停止などをしながら、児童にアルファベットを探す時間をどのくらい与えるかを考えて行うなど、実態に合わせて行いましょう(問題の中には小文字の問題もあるので、そこはとばして行ってください)。
⑧漢字からアルファベットさがし
漢字から大文字のアルファベットをさがし、実際になぞってワークシートに書く活動です。
スクリーンに児童もよく知っている漢字の「田」を表示します。まずは教師とALTでデモンストレーションをします。
(ALT), can you find alphabets in this kanji 田?
O.K. I know.
I can find the alphabet H.
と言って、デジタルペンでスクリーンの「田」の上にHを書きます。
How about you, sensei ?
I can find the alphabet C.
と言って、デジタルペンでスクリーンの田の上にCを書きます。
このようにデモを行うと、児童は、若干の許容範囲を知ることができます。ここは目の前の児童の反応や学級の実態によって、どこまでを許容するかは教師の判断によると思います。私はある程度、許容範囲を広げて、より自由な発想でアルファベットの大文字に慣れることができることを大切にしました。
教師は机間指導しながら、「なるほど~」、「へぇー」「それもいいね」などプラスの言葉かけをして、児童の意欲を高めるとよいです。
なぞらせる活動となりますが、児童の見つけたアルファベットを発表させるときは意図的指名で行うとよいと思います。もし、いつも挙手ベースで外国語の授業を進めている場合は、なおさら普段挙手をしない児童を指名し、称讃し、自信をもてるようにすることが大切です。
児童が活動している間は、ABC songを流しておくとよいでしょう。このような時間にもインプットを行うことができるのでお勧めです。
漢字の「田」は、紙を少し回転させると違う見方ができます。「田」の中にアルファベットのXが見えます。もし児童が見つけていた場合は、指名して発表させましょう。この場合は、口頭でXと言わせて、他の児童にもXを探す時間を与えましょう。隣同士でどうやったらXが見出せるか、見方を教え合わせるのもよいでしょう。どうやったら見えるかは、他の児童に説明させてもいいと思います。算数の授業で行っている手法と同じです。見えなかったものが見えるようになる。児童同士の学びがそこにあります。
⑨デジタル教科書P22、23アルファベットさがし
前時に行った「アルファベットさがし」です。前時と同じように行っていきましょう。
スライドのイラストでも行うことができます。学級の実態にあわせて使い分けてください。
⑨ふりかえり
本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子