小2生活「冬やさいをそだてよう ~にこにこ大根マスターになろう~」指導アイデア

執筆/愛知県公立小学校教諭・谷原佳世子
編集委員/前・文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官・愛知淑徳大学准教授・加藤智、愛知県公立小学校校長・稲田あけみ

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

冬野菜を栽培する活動を通して、夏野菜との成長のしかたや実のなり方などの違いに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

冬野菜を栽培する活動を通して、夏野菜との成長の様子や世話のしかたと比べながら、働きかけることができる。

学びに向かう力、人間性等

冬野菜を栽培する活動を通して、野菜への親しみをもち、大切に育てようとする。

単元の流れ(19 時間)

○大根を育てる計画を立てよう(2時間)

子供1「夏野菜がたくさん収穫できてうれしかったよ。」子供「大根は切り干し大根にすると保存できるんだって。」子供1「一年生のときに、二年生に大根のおでんをごちそうしてもらっておいしかったな。」

評価規準等
 一年生や二年生前期の栽培の経験から、見通しをもって、大根の栽培計画を立てている。

※評価規準等の=知識・技能、=思考・判断・表現、=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

大根名人に種まきと世話について教えてもらおう(2時間)

子供1「小さな穴をあけて、3粒ずつ蒔くのだね。」大根名人「上手に植えたね。」
  • これまでに育てた花や野菜の種と比較し、観察をしてから種を蒔く。

評価規準等
 大切に育てたいという思いをもって、名人の話を真剣に聞いている。
 大根の種の特徴や大根に適した種の蒔き方に気付いている。

大根の観察や世話をしよう(5時間)

子供1「本葉が出て、なんだか窮屈そうになってきたよ。」子供2「そろそろ間引きをしたほうがよさそうだね。」子供3「間引きをするころから、土寄せもするんだって。本に書いてあったよ。」子供4「間引いた大根も、ちゃんと大根の形をしているんだね。」
  • 間引いた大根も、調理法を調べて各家庭で食べる。

評価規準等
 夏野菜と比較し、成長のしかたや実のなり方などの違いに気付いている。
 大根の世話について本やインターネットで調べたり、身近な人に相談したりして、よりよい世話のしかたを工夫している。
 授業時間以外でも、継続して観察や世話をしている。

大根を収穫しよう(2時間)

  • 大根をいつ抜くかを考え、収穫する。
子供「土から首が出てきたので、そろそろ抜こうかな。」

評価規準等
 これまでの経験や学んだこと、自身の願いを基に、大根を収穫する。

切り干し大根を作ろう(3時間)

子供1「大根がたくさん収穫できて、うれしい!」子供2「あんなに小さかった種が本当に大きく育って驚いたよ。」子供1「こんなに一度に食べられないから、切り干し大根にしよう。」

評価規準等
 大根を長く保存したいという願いをもち、切り干し大根作りに取り組もうとしている。

大根パーティーで一年生にごちそうしよう(5時間)

子供「一年生に、おいしい切り干し大根料理を作ってあげたいな。一年生に、喜んでもらいたいな。」
子供「おいしい切り干し大根サラダができた!」
  • 食物アレルギーのある子供への配慮をして行う。
  • 大根パーティー後、単元全体をふり返る。

評価規準等
 一年生のことを思いながら、パーティーの内容や振る舞う料理を考えている。
 一年生に喜んでもらいたいという思いをもって、進んでパーティーの準備をしている。
 野菜を育て上げたことや一年生との交流を通して、成長した自分に気付いている。

活動のポイント1 
野菜に親しみ、喜びを味わえる単元構想と活動の工夫

野菜の栽培は、長期にわたり根気のいる活動です。それだけに、自分の野菜を収穫し、味わったときの喜びは大きいものです。どの子も収穫の喜びが味わえるような活動になるように計画しましょう。

野菜の健康観察

日常的に野菜に親しみ、世話をする時間を設定しましょう。日々の野菜の変化の記録がふり返りにも役立ちます。

追究の場の設定

疑問や発見を共有したり、追究したりする時間を大切にしましょう。
※教師は教えることと、気付かせることを整理しておくことが大切です。

子供の思いに合った収穫祭

個人だけでなく、学級全体で収穫を喜び合うことで、育ててきたことへの自信が高まります。

活動のポイント2 
人との関わりを通して、社会とのつながりや自分の成長が感じられるような場の設定

地域の人との交流

地域に特産品を栽培し、栽培に関わる人の苦労や工夫に触れることで、自分たちの住む地域への愛着も生まれます。三年生以降の社会科の学習へもつながっていきます。

異学年との交流

一年生のときに二年生から大根料理を振る舞ってもらったことを、自分たちも行うことで、新たな喜びを感じ、自身の成長への気付きにつながります。

大根を収穫する子供

家族と一緒に

簡単なレシピを提案するなどして、家族と一緒に収穫の喜びを味わえるような工夫をしましょう。

活動のポイント3 
他の単元・教科との関連で、主体的・対話的で深い学びを引き出す活動の工夫

他の単元や教科等の教育内容を相互の関係で捉え、教科等横断的な視点で学習の計画を立てることにより、子供たちの深い学びを引き出す手助けとなります。

国語科の書く活動とのつながりは、野菜の観察の視点を与え、科学の目を育て、三年生での理科の学習へつながっていきます。

生活科「夏やさいを育てよう」
・夏野菜の栽培の経験を通して、身に付けたこと
    ↓
大根づくり・栽培記録
    ↑
他教科(国語科)「かんさつしたことを書こう」
・観察記録の書き方を通して、豊かに表現する(色・形・大きさ・比べる・数字を使うなど)。

生活科「町たんけん」
・学区の畑の様子
・大根名人の畑見学
    ↓
大根づくり・栽培活動のまとめ
    ↑
他教科(国語科)「この人をしょうかいします」
・紹介文を書くことを通して、名人の技(栽培のコツ)をまとめる。

生活科「はっけん 自分のよいところ」
・栽培活動を通して、できるようになったこと
    ↓
大根づくり・お礼の手紙
    ↑
他教科(国語科)「『ありがとう』をつたえよう」
・感謝の気持ちを伝えるための、言葉の使い方を知る。

評価のポイント 

(知識・技能)
冬野菜を栽培する活動を通して、夏野菜との成長のしかたや実のなり方などの違いに気付いている。

子供のこんな姿を見とりましょう

子供「トマトも大根も種から芽が出るね。こんな小さな種から、大きな大根ができるんだね。」子供2「キュウリやトマトは花が咲いた後、実ができたね。大根は土の中でどうなっているのだろう。大根の花はまだ咲かないけど、収穫したのは実なのかな。」

冬野菜と夏野菜は、花のつき方や実のなり方が違ったり、収穫して食べる部分が違ったりします。夏野菜を栽培したときの記録と比べながら、観察していくことで、科学の目が育ちます。また、このことがきっかけで自然への興味の広がりが期待できます。

収穫時においては、次々と実ができるトマトのような夏野菜に比べ、収穫が一度きりになる大根などを育てる場合は、収穫時期を自己決定するという場面を大切にしましょう。 

また、教師用の大根を、花が咲き、種がとれるまで育てることで、三年生の理科の学習につなげていきます。

※学習活動の実施に当たっては、新型コロナウイルス感染症に関わる各自治体の対応方針を踏まえるなど、子供の安全の確保に向けて十分配慮した計画を立てる必要があります。

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2021年10/11 月号より

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