いじめや子供同士のトラブルがあったとき読み聞かせたい絵本5選
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絵本を活用して、互いの立場を思いやるきっかけに
子供同士のトラブルが解決しないとき、あるいは、いじめの萌芽を察知したとき、先生方は解決に向けてさまざまな策を講じるでしょう。そんなときに、絵本を活用するのも一案です。今回は、「強く優しい心を育む」絵本を紹介します。朝の会や授業の中で読み聞かせてみませんか?
強く優しい心を育む!おすすめ絵本
『わたしのいもうと』
偕成社 文/松谷みよ子 絵/味戸ケイコ
新しい町へ引っ越し、新しい学校に通い始めた4年生の妹。ところが、言葉がおかしい、跳び箱ができないなどとからかわれ、次第にクラスの子供たちから無視され、孤立するようになります。教室でも、遠足でも、一人ぼっち。やがて妹は、学校へ行かなくなり、部屋に閉じこもるようになっていきます。クラスみんなからからかわれたり、仲間に入れてもらえなかったりすることで感じる悲しみや苦しみ。一人一人が、相手の立場に立って考えたい大切なテーマを投げかける一冊です。
『アレクサンダとぜんまいねずみ』
好学社 作/レオ=レオニ 訳/谷川俊太郎
ねずみのアレクサンダは、「おもちゃのぜんまいねずみ」のウィリーがうらやましくてしかたありません。子供たちにちやほやされ、毎日楽しそうなウィリー。しかしある日、アレクサンダは、ウィリーがゴミ箱に捨てられているのを見付けます。自分のことばかり考えていたアレクサンダが、ウィリーの悲しみに共感したとき…。さまざまな人の立場に立って考えることの大切さを問うた一冊。2匹のねずみの友情を描きました。
『けんかに かんぱい!』
童心社 作/宮川ひろ 絵/小泉るみ子
和人は3年生になり、クラス替えです。新しい先生は、和人たちに、「けんかをして言いたいことを言い合うことで、友達の考えや感じ方を知ることができるはず」と投げかけます。上手にけんかすることができない子供たちへ、温かいエールを送ります。
『ともだちドロボウ』
講談社 作/のぶみ
ひねくれ者の「ともだちドロボウ」は、「ともだちってやつ」が大嫌い。そこで、「あいつらのともだち、みんなぬすんでやろう!」と、落とし穴に閉じ込めます。みんなが、友達を盗まれて悲しんでいると、不思議なことが起こり…。いじめや仲間外れの悲しさを訴える一冊です。
『ちいさな かわいい おべんとうばこ』
小学館 作/宮野聡子
野原に誰かが忘れていった、かわいいお弁当箱が一つあります。動物たちが次々と現れて、楽器にして遊んだり、豪華客船に見立てて遊んだり、弁当箱をそれぞれに活用します。楽しく活用した後は、持ち主のために、優しいお礼を残して去っていきます。最後に、一人の女の子が、忘れたお弁当箱を取りに戻り、ふたを開けてみると、なんとその中には…。小さなありがとうがたくさん詰まったかわいい作品です。
「絵本を活用した授業づくり」について、さらに詳しく知りたい方へ
絵本を活用した授業づくりをより詳しく知りたい先生には、京都女子大学准教授・齊藤和貴先生の『絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)がおすすめです。主体性を育む、多様性を理解するなどの14のシチュエーション別に、312冊の絵本の紹介や活用法を解説。教科別の授業例も紹介しています。
『豊かな心と思考力を育む
絵本で広がる小学校の授業づくり』
京都女子大学発達教育学部准教授
齊藤和貴/著
B5判/112p、オールカラー
〈著者プロフィール〉
齊藤和貴(さいとう かずたか)
京都女子大学発達教育学部准教授。元小学校教諭・司書教諭。東京都公立小学校及び東京学芸大学附属小金井小学校、附属世田谷小学校で28年間、教育活動や授業実践に取り組む。その間、生活科や総合的な学習の時間を中心に指導法やカリキュラム、評価方法の工夫・改善を図り、「子供とともにつくる授業」の創造に励む。また、司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも取り組んできた。
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