小3らくらくUnit 5「What do you like?」④【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit 5「What do you like? 何がすき?」第4時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 5「What do you like? 何がすき?」全5時の4時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【単元のゴール】
校長先生や保健の先生たちにインタビューをして、その先生たちを紹介しよう。
【本時の目標】
校長室や職員室、保健室にグループで行き、英語でインタビューしよう!
【単元の目標】
〇日本語と英語の音声の違いに気付き、身の回りの物の言い方や、何が好きかを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇何が好きかを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら、何が好きかを尋ねたり答えたりしようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
◎What do you like? I like (tennis). What (sport) do you like? I like (soccer). what, color, スポーツ (sport, volleyball, table tennis)、飲食物 (food, hamburger, pizza, spaghetti, steak, salad, cake, noodle, egg, rice ball, jam)、果物・野菜 (fruit, grapes, pineapple, peach, melon, banana, kiwi fruit, lemon)
[既出]挨拶、Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. 数 (1〜20)、色、果物・野菜、飲食物、スポーツ
単元の流れ(例)
第1時:新しい表現になれよう
第2時:クラスのランキングを作ろう
第3時:インタビューの作戦を考えよう
第4時:インタビューをしに行こう
第5時:先生方の紹介をしよう
本時の授業の流れ
- 挨拶
- チャンツ(食べ物)
- 単元のゴールと本時のゴールの確認
- インタビューへGO!
- ビデオで振り返り
- ふりかえり(Can Do List)
各活動の流れ
①挨拶
Hello, how are you? で挨拶をするなど、これまで習った表現を使って授業をスタートしてみましょう。
②チャンツ
2時目に行った食べ物のチャンツです。
③単元ゴール、本時のゴールの確認
単元ゴールと本時のゴールを確認しましょう。
④インタビューへGO!
インタビューに行く前に、児童と本時のインタビューでのルーブリック(インタビューをする時に相手に分かりやすく伝えるための工夫)を一緒に考えてみましょう。児童から出てきたがんばりたいことを空欄の部分に直接デジタルペンなどで記入していきましょう。
私が実際に児童と一緒に考えた時に出てきた頑張りたいことは、「声の大きさ」「ジェスチャーをする」「リアクションをする」などでした。当日に少しでも意識を高く取り組めるように、児童から出てきた内容でルーブリックをシェアするとよいでしょう。
児童が本番のインタビューへ行く前に練習する時間を与えることもよいでしょう。また、学級の実態によっては一斉にグループで行かせることができない場合や、学年の他の学級の授業等と重なって、この授業内でできない等があると思います。学級や学校の実態に合わせて行ってください。例えば、この時間に行けずに、朝の時間にインタビューに行くようにした場合は、他のグループがインタビューに行っている間にビデオでの振り返りをするなどもできると思います。
【評価について】
●何が好きかを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
●相手に伝わるように工夫しながら、何が好きかを尋ねたり答えたりしようとする。(学びに向かう力、人間性等)
について評価をしましょう。
評価については、この単元では、前時のリハーサルから改善したこと、「相手に伝わるように工夫しながら」の部分を評価することもできます。自身のリハーサルからの反省を本番に生かすことは、まさに児童が主体的に学んでいる姿と言えるでしょう。授業内でできなかったことができるようになることも授業の成果であり、また単元内ではじめはできなかったことができるようになることも授業のあるべき形ですね。
グループでインタビューに行くことで、教師が全グループと一緒に行くことができない場合もあると思います。その場合は、児童がビデオを撮ることで、後で評価することもできます。
インタビューを受けていただく先生方には、下のようなプリントを渡して事前の打ち合わせをしました。児童がどんな質問をしてくるかなどの活動の流れが分かるようにしておくと親切でしょう。また、小学校では、英語のインタビューとなると不安のある先生方もいらっしゃると思います。作戦ワークシートのコピーを事前に渡しておくことも可能でしょう。打合せをする際は、最後に称賛して終えてくださいと伝えることも大切です。児童は、英語で初めてのインタビューで緊張していると思うので、最後に児童の頑張りをほめてもらえるといいですね。
⑤ビデオで振り返り
インタビューの振り返りをする意味でもビデオを視聴することはとても効果的です。GIGAスクールで1人1台端末が実現できたことで、このような活動にも有効に活用することができるようになりました。ここで改めてインタビューの内容をメモすることで次時へ学習を継続することができます。
⑥ふりかえり(Can Do List)
本時はCan Do Listを作成してありますので、それを基に振り返りを行いましょう。また次時の予定も話をし、学習の継続性を意識させましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子