子供同士のトラブルを楽しく防ぐ!“チュウ”はあかんよ~

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大阪府公立小学校教諭

松下隼司

劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子供も指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしたい本コーナー。

「ちゃんとやれよ!」「お前に言われたくないわ!」……子供同士での注意が原因でトラブルになることは、よくあります。今回は、そんなトラブルを楽しく回避することができる、教師の面白ワザの紹介です。

指導:大阪府公立小学校教諭/松下隼司

子供同士での注意は難しい        

子供同士が注意し合って、ケンカなどのトラブルに発展すること、よくありませんか?

今回は、「子供同士の注意」が原因でケンカになりそうなときや、ケンカになってしまったときの、楽しい対応を紹介します。

厳しい口調で注意してしまう子供や、友達からの注意を受け入れられない子供がいるからです。また、自分もできていないことを棚に上げて注意をするから、「お前に言われたくないわ!」とトラブルになるケースもあります。

教師は、次のように言います。

「そんなに強く“チュウ”したら、嫌な気持ちになるよ。“チュウ”は相手のことを思ってするんや。相手がうれしくない“チュウ”はしたらあかんよ」

そうです、“注意”を、わざと“チュウ”と言い間違えて指導するのです。

私が真剣な表情で言うたびに笑いが起きます。

子供から「先生、チュウでなく注意です!笑」とツッコミが入るまで、真剣な表情で間違え続けます。

子供からのツッコミが入ったら、

「なんや、チュウじゃなくて、注意やったんか~。教えてもらえてよかった~。でも、注意も相手を嫌な気持ちにさせてしまうことがあるからね」

と話します。

子供同士の注意はとても難しいものです。

学年や発達段階を考慮して、子供同士での注意はまだ早いと判断した場合は、控えさせるようにしています。

松下隼司先生

松下隼司の笑って!!エヴリディは、木曜に更新します

イラスト/したらみ

松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。

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