「予定帳」で児童・保護者・教師をつなげようー2学期の荒れを防ぐ学級経営アイデア

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夏休み明けに、よいスタートを切るために! 夏休み前の学級経営を振り返るポイントと、「予定帳」を活用した学級経営のアイデアを紹介します。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・青木洋俊

夏休み前の学級経営を振り返ろう

夏休み明けに、よいスタートを切るために、夏休み前の学級経営を振り返りましょう。

振り返りの視点の例

子供たちの関係は?

  • 学級全体の仲がよいか。
  • 互いのよさや頑張りを認め合っているか。
  • 差別やいじめがないか。 など

学級の雰囲気は?

  • 笑顔が多く見られるか。
  • 時間やルールが守られているか。
  • 前向きな発言が多いか。 など

子供の主体性や意欲は?

  • 目標を決め、前向きに取り組んでいるか。
  • 学級目標を意識して活動しているか。
  • 指示がなくても自分たちで行動できるか。

子供たちの様子を把握しよう

数十日間の夏休みが明け、子供たちはさまざまな思いを抱いて学校に登校してきます。子供たちの小さな変化を見逃さないようにすることが大切です。その視点としては、次のようなことが考えられます。

子供の変化を見取るための視点の例

  • 登校時刻は、変わっていないか。
  • どんな表情で教室に入ってきたか。
  • 朝のあいさつの声のトーンはどうか。
  • 宿題は持ってきているか。
  • 友達との関係性に変化はないか。
  • 体重に大きな増減はないか。
  • どんな夏休みを送っていたか。
  • 頭髪などの身だしなみに変化はないか。 など

仕切り直しのチャンスを生かそう

学級開きから夏休みまで、あっという間に過ぎてしまいます。そうした中で、学級としての育ちがあまり感じられないといったケースもあることでしょう。また、これまでやろうと思いながら取り組めていなかったことなどもあるかもしれません。学期の変わり目は、仕切り直しのチャンスです。

もう一度基本に立ち返りつつ、子供たちとともにどのような2学期にしていきたいかを考えることも大切です。同じことをしても変わりません。新たな取り組みにチャレンジしていくことも必要です。

学級が荒れてくる要因として、児童と担任の信頼関係、または担任と保護者の信頼関係が構築されていないことが考えられます。

子供を中心として、三者のつながりをつくることが大切です。その方法の例として、「予定帳」の取り組みを紹介します。

子供、保護者、担任をつなぐ「予定帳」

❶予定などを書く部分

一般的には、市販の「連絡帳」を使って明日の予定を書いていることが多いかと思います。枠があることで、書きやすくなります。

❷明日のめあてを書く部分

明日の予定を見ながら、明日のめあてを書きます。例えば、「社会科は、今日は織田信長について学んだから、明日は豊臣秀吉だな。秀吉の天下統一とその取り組みについて調べたいな」といった学習の見通しを持って明日への希望を抱けるようにすることをねらいとしています。

❸家庭への連絡を書く部分

家庭への連絡事項があるときに活用します。全体への連絡を子供が書くこともあれば、担任から直接、保護者へ書くこともあります。

❹テーマに応じた短作文を書く部分

毎日、テーマを設定して、短作文を書いていきます。書く力の育成につながるだけでなく、学校での出来事が保護者に伝わるためのツールともなります。また、それは、児童理解にもつながります。テーマは、担任が設定しますが、自由テーマの日もつくるなど、変化をつけるようにします。

❺保護者や担任のコメントを書く部分

保護者のコメント欄については、保護者のスタンプやサインでも構わないことを伝えつつ、三者をつなぐツールとしたいという目的を説明し、可能な範囲で協力してもらうようにします。

短作文のテーマの例

  • 好きな○○(動物・スポーツなど)
  • 最近、これにはまっています
  • 運動会を前にして
  • 運動会を終えて
  • 今日の○○の学習
  • もしも○○ができたら
  • ラーメンの味、何派?
  • 将来の夢 など

イラスト/菅原清貴

『教育技術 小五小六』2021年8/9月号より

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