教室が笑顔になる8月のラッキーアイテム「学級チャレンジ」
教室に「あるとイイな♪」を紹介する連載記事。夏休み期間の今月は、子供たちの「挑戦心」を刺激するアイテムを紹介します。みんなの頑張りが一目でわかり、学級レクを通じてクラスの団結力にもつながる、まさにラッキーなアイテムです。
目次
8月のラッキーアイテム
「学級チャレンジ」
Point1 夏休み明けの「挑戦心」に火をつけよう
夏休み中、子供たちはそれぞれ個性ある日々を過ごしてきたことと思います。例えば、昆虫採集を頑張った子、読書マラソンに取り組んだ子、自由研究に没頭した子など…。夏休みの多様な経験を通して、「挑戦心」が芽生えてきているのではないでしょうか。
久しぶりに学級の仲間全員と再会した子供たちは、「みんなで何かに挑戦したい」という気持ちが高まっています。そんな時にぴったりのレクとして、クラス全員で挑戦して記録更新を目指す「学級チャレンジ」をおススメします。
学級チャレンジは、画用紙やラミネートフィルムなどを活用して作成します。ラミネートフィルムを使用するのは、ホワイトボードマーカーで記録を書いたり消したりしやすいためです。
ルール①
学級チャレンジの種目は、誰でも気軽に参加できるものにする。
例)
■連続大縄跳び…1分間で大縄跳びを跳んだ回数の合計数。
■無の世界…みんなで黙って、シーンとした空間を作れた時間を計る。物音などを立てたらアウト。
■バルーン・トス…椅子に座った状態で、風船を投げ入れ、落とさずに何回トスできるか記録する。
ルール②
学活の時間や授業のちょっとしたリフレッシュタイムや、すきま時間などに行う。
ルール③
記録を更新したら「学級チャレンジ」に書き込む。
注意として、「忘れ物なしの日数」や「給食の完食記録」のような種目は、クラスの中で分断や軋轢が生まれてしまいます。種目選びは教師が主導となって決めるとよいでしょう。
Point2 新学期、仲間との「団結心」を育もう
記録更新を繰り返すたび、教室は子供たちの「やったぁ!」という声と歓喜にあふれます。はじめのうちは記録はどんどん伸びますが、やがて更新頻度は減っていきます。そのような壁にぶつかった時こそ成長のチャンスと捉えましょう。
クラス全員で考える時間や話し合う時間を与えることで、作戦を立てる子やその作戦を協力して実行する子たちの姿が見られることでしょう。教師はその様子をしっかりとメモしておきます。
やった、記録更新だ!
素晴らしい! どうして達成できたのかな。
○○くんの作戦のおかげです
僕の作戦もだけど、みんなが協力して頑張ったからだよ
このようにお互いを認め合う場面が生まれ、「団結心」が育まれていきます。
今回は難しい挑戦でしたね! せっかくなので記念写真を撮りましょう。
困難な挑戦ほど達成した時の喜びはひとしおです。ぜひ学級通信や保護者会などで話題に挙げてみてください。
今回紹介した「学級チャレンジ」に限らず、どのようなイベントも必ず「飽き」がきます。ですので「期間限定」で取り組むことをオススメします。記録更新をしたあの歓喜の瞬間は、今でも私の心に焼き付いています。ぜひ取り組んでみてください。
八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書「今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑」、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。