絵心がなくても大丈夫!黒板チョークアートを描くコツ
二学期の初日、黒板にこんな仕掛けをしておくことで、子どもたちは大喜び。「このクラスにおかえり!」そんな気持ちで描いてみましょう。この方法なら絵心がなくても大丈夫! 先生の気持ちが子どもたちに届くはず。

目次
「学校に行きたくないな~」が一気にテンションアップ
夏休み明けの少しダレた気分の子どもたちを、元気な学校モードに切り替えたい! そこで今回注目したのは、どのクラスにもある大きな黒板。ここにインパクトがある絵を描く仕掛けをすれば、子どもたちの気持ちが一気にテンションアップするはずです。
そこで、チョークアートアーティスト・島りかさんに描き方を教えていただきました。全体のバランスが良く見える構図、細部の描き方のコツなど、上手に見えるポイントを重点的に解説します。夏休み明けの初日は、こんなドラマチックな黒板のもと、子どもたちとクラスで再会すれば、二学期のいいスタートが切れるでしょう。ぜひ、描いてみてください。

絵心は不要!この4ポイントでプロっぽく
1.イラストや文字を用意し、チャコペーパーでトレース
イラスト集や文字を拡大コピーし、チャコペーパーで文字や絵を黒板に写せば、誰もがプロの仕上がりに!
2.描き順は黒板の左から右へ
描いた線を自分の手で汚さないように、右利きの先生は左から右へ。左利きの先生は右から左へ。
3.線を引いたら、指でぼかす
チョークは、ぼかすことで立体感が出て上手に見える。
4.大胆に描く
太い線で黒板全体に思いっきり描いたほうが、上手に見える。
STEP1 下絵を用意する
イラスト集などから、新学期にふさわしいモチーフを決め、組み合わせて下絵を作ってもよいのですが、今回は下絵用のダウンロードデータをご用意。データを黒板に合わせたサイズにプリントアウトして、下絵を用意しましょう。
●文字をキレイに描くと、仕上がりの美しさが違う!
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⇒ 下絵ダウンロードはコチラから
「文字は活字を使うと、手書き文字にはないプロっぽさが表現できます。先生のメッセージが伝わりやすい書体を選んでくださいね」(島さん)
STEP2 下絵のイラストを白のチャコペーパーで黒板に写す
次に、原寸大に作成した下絵を、黒板に写します。
「強めの磁石で黒板に下絵を貼り、その下にチャコペーパーを差し込みながら、下絵のアウトラインをシャープペンシルやボールペンでなぞるだけ。これでイラストのベースが完成します」(島さん)
黒板サイズに合わせて作成した下絵を、磁石で黒板の中央に配置した状態。正確に描けるが、大きな1枚に作成するのは大変な場合は、下絵を分割して貼ると手順がラクになります。
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右手で押さえているのは、100円ショップや手芸店で市販されている、裁縫用のチャコペーパー。サイズは一般的に30cm四方。下絵イラストの裏側に挟み込みながら、上からシャープペンシルなどで線をなぞります。

鉛筆だとなぞるうちに芯が丸くなり、筆圧がかかりにくくなるので、シャープペンシルがオススメ。シャープペンシルの場合、B以上の濃いめの芯を入れておくことで、見やすく、描き忘れ防止になります。
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チャコペーパーでなぞった後の黒板には、薄く線がつきます。この線をチョークでなぞっていけば、間違いなく上手に描けます。
STEP3 アウトラインを描く
多くの学校にあるチョークは、白・赤・黄・青・緑など。どのモチーフにどの色を使うか、あらかじめ決めておくとスムーズに進められます。

色は混ぜずに、1 つのモチーフに色を重ねず、1色で仕上げることが上手に見せるコツです。
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光が左上から当たっているとして、右ななめ下の陰になる部分の色が濃くなるように塗っていくと立体的に見えます。
STEP4 線をぼかして、立体感をつける
指先でこするだけでぼかすことができ、立体感をつけられるのがチョークアートの特徴です。ハッキリとした影を出したい部分にはチョークで斜線を入れ、そのあと、指先でなじませます。
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
紙が丸まっていることを表現するために、両サイド部分に柔らかな影を入れます。このとき、チョークを横にして色を塗っていきます。

巻き紙のサイドの部分は、イラストの上部から指先でぼかして、黒板になじませていきます。
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「チョークは、ペンや絵の具と違い、失敗してもすぐに消すことができます。自信を持って大胆に描くことがコツですよ!」(島さん)
3倍上手に見えるテクニック
●花は濃淡で表現する
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アウトアインを引いた後、外側から内側に向かって、指先の腹をこまめに動かしてぼかしていきます。
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ぼかした後に、チョークの先端に力が入るように持ち、さらにアウトラインや花びらの線を重ねます。

●旗に地色をつける

「二学期」という文字を入れる前に、チョークを寝かせて使い、旗に白で地色を入れると、奥行きが出ます。
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●文字に影をつける
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文字から5mm程度右下に、文字に沿って線を書き加え、さらに斜線を入れます。これを指先でぼかすと影に見え、文字が浮かび上がっているように見えます。
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★下絵ダウンロードはコチラから
教えてくれたのは・・・
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島りかさん 国際黒板チョークアート協会 代表。チョークアート教室などを行う『Ravo*Labo』代表。店舗やレストラン、教育施設などのアートワークを手がける。
撮影/洞澤佐智子 取材・文/前川亜紀 企画協力/林真未(東京都教諭)
『小三教育技術』2017年9月号より