小2算数「100より大きい数をしらべよう」指導アイデア
執筆:神奈川県公立小学校教諭・小畠政博
編集委員:文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準(本時3/12時)
ねらい
おはじき(〇)を並べて、数を表すことを通して、3位数の位取りのしくみや数の構成についての理解を深め、数のまとまりに着目して数の相対的な大きさを捉えることができる。
評価規準
10や100のまとまりに着目し、十進位取り記数法のしくみを考え表現したり、数を相対的な大きさから捉えたりしている。
もんだい
おはじき(〇)をつかって、235をあらわすにはどうしたらよいでしょうか。

おはじき(〇)を使って、235を表すには、どうしたらよいでしょうか。ノートに〇をかいて表してみましょう。
数が足りません。おはじき(〇)が235もないので、できないと思います。
色を変えてもよいですか。
お金と同じように考えて、100円玉、10円玉、1円玉と考えたら、できるんじゃないかな。
同じおはじきでも見方を変えればできると思います。
学習のねらい
おはじき(〇)を使って、235のあらわしかたをせつめいしましょう。
見通し
おはじき(〇)1つを1・10・100 と見て考えると、少ないおはじき(〇)で、235を表すことができます。
わざわざ色をぬらなくても、位ごとに並べれば、もっと大きな数でも表すことができます。
自力解決の様子
A つまずいている子
おはじき(〇)が235個ないので、手が止まってしまっている。
B 素朴に解いている子
おはじき(〇)に色をぬり、少ないおはじきで表そうとしている。
C ねらい通りに解いている子
百の位(左)に〇を2個、十の位(中)に〇を3個、一の位(右) に〇を5個かいている。
学び合いの計画
おはじき(〇)1つをいくつと見るかによって、表現方法は多様となります。本単元では、数の相対的な見方を育てていくことが大切です。本時では、色によって、〇1つの大きさの違いを表現することから、位ごとに〇を置くことで、数を捉えやすくなり、さらに数が大きくなっても同じように表現できるよさに気付かせましょう。
さらに、400をおはじき(〇)で表すと、百の位に〇を4個並べます。〇1つを1と見れば400個必要ですが、100とみれば4個で足り、10とみれば40個必要になります。このように位取り板を活用しながら、数の相対的な大きさの理解を深めていきましょう。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
おはじき(〇)を使って、235を表すにはどうしたらよいでしょうか。〇が足りませんか。
大丈夫です。私は、色を変えて表しました。100を赤で、10を青で、1を白にしました。
そうやって考えると、少ない数で235を表すことができてよいと思います。
僕は、このように並べました。

位ごとに並べたということですね。
百の位に〇が2個だから200、十の位に〇が3個だから30、一の位に〇が5個だから5。
色をぬるより簡単で、分かりやすいと思います。
位ごとに並べると、同じ〇でも1つが100になったり、10になったりします。
もっと数が増えても、同じように表すことができるので便利ですね。
例えば、400だったらどう表しますか。
このように並べました。
〇1つを100と見れば、4つで400と表せます。

〇1つを1と見ると、〇が400個必要です。
400という数は、1が400 個集まったもの、100が4個集まったものと言えますね。
では、400という数は、10がいくつ集まった数と言えるのでしょうか。
評価問題
230は、10がいくつあつまった数ですか?
(〇= 10とみると)
子供に期待する解答の具体例
10を10個集めると100だから、230は、10を23こ集めた数です。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
10や100のまとまりに着目しながら、十進位取り記数法の仕組みを考え表現し、数を相対的な大きさから捉えている。
感想例
- 位ごとに〇を置くことで、いくつを表しているのか簡単に分かり、便利だと思いました。
- 〇1つ分の大きさを変えることで、いろいろな表し方があるのだと分かり、面白かったです。
- 400という数は、1が400個集まった数というだけでなく、10が40個集まった数、100 が4個集まった数だということが分かり、数の見方が広がりました。
イラスト/松島りつこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より