【ギモン21】板書を上手に書くには?
大学でも指導を受けているのですが、板書がどうも苦手です。わかりやすく、学習に効果的な板書を書くコツってありますか?
教育実習完璧ガイド
STEP-4
授業の実際
「黒板を使う」ということを惰性で行うのではなく、その意義・目的をよく理解して効果的に用いることが重要です。児童生徒の視点に立って、その学習のプロセスをよく研究し、板書によって学習効果がいっそう増すように、十分な計画を立てておきましょう。
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目次
板書の役割と意味
●学習している内容を文字や図に置き換え、内容を深め、それぞれの関係を整理する。(学習する直前の予告と、直後のまとめの両方の役割がある)
●授業が進んでいっても、数分前・数十分前に学習した内容を思い出せるように、授業の「跡」を黒板上に残しておく。
●児童生徒の「発表の場」として活用する。(教員がまとめる場合と学習者が直接書く場合がある)
【よい板書】
・計画的で授業のリズムに乗ったもの
・構成が授業の流れに沿っているもの
・学習のテーマやヒントが表現されたもの
【わるい板書】
・思いつきで書いて、授業のリズムを崩しがちなもの
・学習の順序や項目同士の関係が不明確なもの
※学習指導案の作成、教材・教具の準備、発問計画とともに、板書計画をしっかり立てておきましょう。
※授業実習の前には、指導担当教員の許可を得て、実際の教室を使って板書のリハーサルをしてみるとよいでしょう。
どこが違う? 小・中・高の板書
板書の基本的な作法は、教科や単元によっても異なりますが、小学校・中学校・高校では役割や技法にかなりの違いが見られます。学習者の発達段階や学習課題、板書の特徴などをよく研究して、適切な方法を選択するようにしてください。高校生になっても小・中学校のリズムから抜け出せない生徒が増えています。中・高では、板書の意味や使い方を、教科ごとにしっかりと伝えることが望まれています。
- 小・中では、めあてや目標、展開の切り替え時の学習課題などを積極的に板書することが多い。
- 小・中では、発問に対する「答え」をとらえて書き込むことが多い。同じ課題について、仲間がどう考えているかを知ることは大事な学習なので、高校でも積極的に取り入れるように。
- 中・高では、文字情報がかなり多くなる。教科書の用語、教師の説明と板書の表現が完全に一致すると学習効果が半減するので注意。また、板書内容をむやみにノート転写させないように。
- 小→中→高と進むにつれて、生徒同士のやりとりが減少し、授業は教師と生徒個々人との対話(ないしは一方通行的な説明)になっていく。したがって、生徒の板書への依存度はかえって高まっていく。中・高こそ、学習内容と学習のプロセスをよく検討して、計画的な板書を心がけたい。
板書を上手に書くポイント
1 板書計画
原則として授業1時間あたり黒板1面分の板書が目安です。国語など縦書きの場合には黒板の右→左、横書きの場合には左→右へ書いていきます。板書として適切でない場所から書き始め、消して別のことを書くようなことは厳禁です。
イラスト/タバタノリコ
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