【相談募集中】ニュースを見るのがつらくなってしまった
悲観的な気持ちになってしまうからニュースを見たくないけれど、教育者としてそれでいいのか……。ここでは、「みん教相談室」に届いた相談への、教育アドバイザー 多賀一郎先生からの回答をシェアします。
目次
Q.つらい情報ばかりのニュースを見られなくなってしまった。教師としてNGでしょうか
特別支援学校の高等部で担任をしています。最近、ニュースを見ることがつらくなり、このままでよいのかと悩んでいます。
社会情勢について興味のある生徒もおり、振られた話題に答えられるようにしよう、また、いろいろなことにアンテナを張ることで、話題づくりや指導支援のヒントになるはず、と思い、新任の頃からなるべく毎日ニュースをチェックするようにしてきました。
ですが、コロナ禍に始まり、最近ではロシアとウクライナ情勢など、つらいニュースを見るたびに「自分には何もできない」「この状況はいつまで続くのだろう」と悲観的な気持ちになってしまいます。最近では、日課だった朝晩のニュースを見ることができなくなりました。「このままでは自分の心がますますしんどくなってしまうのでは」と思い、意図的に情報を入れないようにしています。
生徒からの質問には答えたいですし、ニュースを見ることが話題づくりのきっかけにつながることがあるということも、理解しています。また、職員室の何気ない会話でも、社会情勢について話題になることがあり、答えられないと「最近の若い教員はニュースも新聞も見ないのか」と思われてしまうのでは、という不安やモヤモヤした気持ちもあります。
思えば、学生の頃、東日本大震災が起きたときも同じような状況に陥り、しばらくニュースから距離を置いていました。今の自分の状態がいつまで続くのかわからず、不安です。無理にテレビをつけてみても、すぐに消したくなってしまいます。しかし、正しい情報を知らない状態で語るのは、生徒にも当事者の方々にも失礼であると感じます。
もうすぐ新年度で、新しい子どもたちとの出会いがあります。それまでに、このモヤモヤをなんとかしたいです。自分自身の気持ちと向き合い、この状況を改善するためにはどうすればよいでしょうか。(りん先生・30代女性)
A.ニュースに詳しくなくても、何も問題はありません
ブルーになりますよね、最近の社会情勢を見ていたら。ニュース番組をつけたらまずウクライナの戦争から始まるので、僕も最近はあまりニュースを見ないようにしています。自分の心がブルーに染まってしまいそうだからです。コロナ禍でただでさえ、鬱屈した気持ちになりそうなのに、毎日、悲惨な状況ばかりを見せられたらたまりません。お気持ちはよく分かります。
自分の心を護ることを最優先してください。がんばって社会に目を向けようとするあまり、自分が潰れてしまっては、話になりません。
「最近の若い教員はニュースも新聞も見ないのか」と思われてもいいじゃないですか。自分のコンディションが悪いと、良い教育はできません。
子どもが質問してきたら、正直に今の心境を語れば良いのです。同じような気持ちの子どもだって、いるかも知れません。
我々の仕事は、授業で子どもを育てることです。ニュースに詳しくなくても、何も問題はありません。
新しい子どもとの出会いに向けての準備に全力を注ぎましょう。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。