修了式直前に慌てない! 教室片付けのこつ
年度末が近づいてきました。卒業式の指導や通知表の作成等、忙しい時期ではありますが、直前になって慌てずにすむよう、計画的に教室の片付けを行いましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・宮原佳太
目次
作品の返却を早めにすませよう
子供が個別に持ち帰る作品は、早めに返却を始めましょう。作品は画鋲やツーダンクリップで掲示しているものも多いと思います。掃除の時間を活用して、子供と一緒に掲示をはずしたり、整理したりすると早いです。
画鋲抜きを複数用意し、作業する子供たちに持たせましょう。安全に、素早く作業を進められます。高所にある掲示物は教師が担当しましょう。
まとめて持ち帰らせる場合は、大きい紙袋を持参させるか、不織布でできた手さげの作品バッグ等を学級費で購入するとよいです。
登下校の際の安全面を考えると、両手がふさがるような状態は避けなければなりません。可能な限りこまめに返却することを勧めます。
感謝や思いやりの心を育てる機会にしよう
年度末は特別掃除の期間を設け、毎日少しずつ、きれいにしていきましょう。1年間お世話になった教室への感謝の気持ち、次の人たちに気持ちよく使ってもらおうという思いやりの気持ちを共有して行うことが大切です。
年度末特別掃除のちょっとしたこつ
黒板掃除
いつも通り掃除した後、仕上げにマイクロファイバーのクロスを使いましょう。チョークの細かい粉もきれいに拭き取ることができます。
机の表面、配膳台
アルコールや住居用洗剤を使わせましょう。子供の手でも短時間でぴかぴかになります。メラミンスポンジでやさしく拭き上げさせるのもお勧めです。
窓ガラス
新聞紙を大量に用意し、担当の子供たちに自由に使わせましょう。濡らした新聞紙で表面をよく磨くと、驚くほどぴかぴかになります。
窓の桟、ドアのレール
アルコールや住居用洗剤に加え、使い終わった歯ブラシを使わせましょう。道具を変えるだけで、細部までこだわって掃除する子供が出てきます。
教師の荷物をまとめるのも、意外と時間がかかるものです。年度末の事務仕事に集中できるよう、早めに取りかかっておきましょう。
整理整頓の段取りを組もう
年度末の整理整頓では、「捨てること」「運ぶこと」「(次年度に)使うこと」まで見通し、段取りを組むと効率的です。次のような作業の仕方をお勧めします。
ごみ袋を3種類用意する
年度末ともなると、処分するものも多いです。作業を始める前に、
- 燃えるごみ
- 燃えないごみ
- 機密文書(シュレッダーにかけるもの)
の3種類の袋を用意し、処分するものをどんどん放り込めるようにしておきます。
「○○セット」にしてまとめる
「ホワイトボードセット」「マグネットセット」といった「○○セット」をつくり、セットごとに整理ボックスにまとめておきましょう。年度初めに運びやすい上、次の教室ではボックスを並べるだけで簡単に整理された教室環境をつくることができます。
引き出しの中身はそのまままとめる
引き出しの数だけかごを用意し、できるだけ中身をそのまま入れるようにしましょう。運ぶかごの数は増えるかもしれませんが、年度初めに教室が変わった際、引き出しの中身を入れ替えるのが楽になります。
補充リストをつくる
次年度のことを考え、整理整頓をしながら、「補充リスト」をつくりましょう。年度末の整理整頓は大変な作業ですが、自分の持ち物を一斉に確認できる貴重な機会です。買い足しや買い換えが必要なものに気づいたら、すぐにリストに書き加えておきましょう。
また、消耗品は1年間使う量を想定してストックまで購入すると、年度途中で細々と補充する必要がなくなるためお勧めです。
最終点検をしよう
年度末にすべての作業が終わったら、最終点検をしましょう。見落しがあると、次にその教室を使う子供や教師に迷惑がかかることもあります。
教師も、次の人たちに気持ちよく使ってもらおうという思いやりの気持ちで教室の片付けを仕上げることが大切です。次のような点に気をつけて最終点検をしましょう。
- 掃除が不十分な箇所の有無
- 棚や教師用机の忘れ物
- 児童用机の忘れ物(机の中、横のフック)
- 児童用机、椅子に貼っていたマグネットやシール
- チョークや黒板消し等、常備する消耗品の補充
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2021年3月号より