学級会のふり返りで自分・友達・クラスのよさを見つけよう
学級会の最後に、ふり返りをしていますか? 終末の教師の話でよかったことや課題を伝えるだけでなく、児童自身が自分をふり返る時間も大切です。さらに、友達やクラスのよさを認め合ったり、改善点を明らかにしたりすることで、次の活動がよりよいものになります。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・東奈奈子
目次
学級会ノートを活用しよう
学級会ノートは、学級会に向けてクラス全員の共通理解を図ることができるうえに、ふり返りにも役立ちます。
自分の成長に気付こう
自分のがんばりについて自己評価します。ふり返る視点をチェック項目(A)にすることで、自分が「何ができたのか」をしっかり判断することができます。くり返すことで自己評価する力も高まります。
さらに記述欄(B)を設けることで、より具体的に書くことができます。
友達のよさを認め合おう
会の最後に「今日のキラリ」「今日のMVP」など、友達のよさやがんばりを発表します。ネーミングの工夫もポイントです。
最初は「たくさん発言した」「司会さんががんばっていた」というありきたりのよさに偏りがちですが、回数を重ねていくと変化していきます。
付箋を活用
友達のよさを付箋(C)に書くと、さまざまな場面で活用することができて便利です。
色分けをすると意欲もアップ
ピンクの付箋は、「友達のキラリ」、黄色の付箋は「私だけのキラリ」、などと色分けをすると、話合い活動中に、友達の発言や態度も意識し、自分だけが気付いた友達のよさを見付けるようになり、相互評価する力も高まります。友達のよさが見付けられず、困っている場合は、次のような視点を与えるのもおすすめです。
友達のキラリポイント
- 司会グループのよかったところ・がんばっていたところ
- 司会グループを助ける発言をした友達
- 初めての発言や新しい意見を出した友達
- みんなのために意見を譲ったり、変えたりした友達や、友達の思いや発言を大切にした友達
- 議題・提案理由・学級目標を意識した発言をした友達
終末の助言の中にも
書き終わった児童から付箋を回収し、子供たちが見付けたよさを活用して、教師の話にすることもできます。その際に、選ばれた子供と友達のよさを見付けた子供の両方を賞賛するようにします。教師と友達から認められることで、子供の自信につながります。
紹介しきれなかった付箋については、注目してほしいポイントに線を引いたり、コメントを書いたりして、学級会コーナーに掲示したり、朝の会や学級通信で紹介したりします。自分では気付かなかったよさや成長に気付くことができるでしょう。さらに、友達のがんばりを知り、次は自分もやってみたいという意欲にもつながります。
友達へのプレゼント
付箋は書いた相手に渡し、学級会ノートに貼りためることができます。友達からの温かいメッセージを楽しみにしている子も多くいます。友達から認められることで、学級にとって自分は大切な存在であることに気付きます。自分のよさや成長をより実感することができるでしょう。
クラスのよさを認め合おう
友達のよさを認め合い、クラスの成長に気付くことで、よりよい学級をつくっていこうという思いが生まれます。さらに、会を重ねていくことで、前回の学級会と比べてよかった点や次回に向けての改善点についても、自分たちで気付くことができるようになります。
ふり返りの時間を充実させ、互いのよさを認め合い、子供たちが意欲的に取り組む学級会をめざしていきましょう。
イラスト/山本郁子
教育技術 小三小四』2021年3月号より