子供たちが企画運営する委員会イベント
三学期ともなると、委員会活動も成熟し、子供たちが中心となり、活動の企画運営ができるようになります。感染症への対応を考慮しつつ、子供たち自身が創っていく、イベント活動を進め、自立する高学年を育てていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・藤井龍一
目次
体育委員会が進める「全校大縄集会」
冬季は外遊びが少なくなり、体力が落ちる時期です。体育委員会が中心となり、全校で取り組む「大縄集会」を企画し、体力の向上を図りましょう。
事前の計画と準備
委員会のメンバーで、大会における役割分担を決めます。
事前の準備では、学年ごとに説明用にルールを書いた紙や賞状をつくります。また、大会当日の役割分担も、子供たち自身で決めることができる内容です。
事前準備
- ルール紙づくり
- 賞状づくり
必要な役割分担
- タイマー
- 進行
- ルール説明
- 音楽担当
※長縄の場合
- カウント
- 長縄の準備、片付け
競技の内容については、発達段階を踏まえた教師の助言が必要です。
大縄集会本番
学年ごとに、学級対抗の長縄大会を実施します。感染症対策として、大きな声で数を数えるのは止めるようにし、委員会のカウント係に任せるよう事前に指導してもらいましょう。
また、個人ごとに行う短縄大会では、低学年は高学年とペアになり、数を数えるようにします。中学年や高学年はバディを組み、互いにカウントを数えることもできます。
学校の現状に応じて学級または個人での大会を選ぶようにしましょう。
大会のまとめ(お知らせ)
給食時の「お昼の放送」などで、大会結果の報告をします。結果だけでなく、頑張ったことも紹介しましょう。
運営委員会が進める「見守り隊感謝集会」
事前の計画と準備
登下校の安全指導をしていただいている「見守り隊」の方の感謝の会を運営委員会が実施します。
事前の準備として、各学年に集会の内容とお礼の品物づくりをしてもらう依頼文を準備しましょう。
また、運営委員が学校を代表して贈呈するので、「見守り隊」の方の人数に応じて、誰が誰に何を渡すか、子供たちに決めさせておきましょう。
事前準備
- 各学年への依頼用紙
- 感謝賞状づくり
- お礼の言葉づくり
必要な役割分担
- 進行
- 感謝状贈呈係
各学年より
- 寄せ書き
- お礼のメダル
※「見守り隊」の方の人数により、学年からの贈り物を振り分けておく。
感謝集会本番
感謝集会では、運営委員が集会を行います。感染症対策として3密を避ける意味でも、会場は体育館など広いところを選び、「見守り隊」の方も代表者など数名にとどめておくほうがよいでしょう。
また、オンライン(校内放送)でも感謝集会を放送します。各学級の子供も起立や礼、拍手などを運営委員会の進行に合わせて一緒に行うことで、式に参加している気持ちを高めることができます。
オンラインでの視聴が終わった後は、日ごろの感謝の気持ちがどの学級の子供たちにも芽生えるように集会の感想文などをまとめましょう。
大会のまとめ(壁新聞づくり)
運営委員会に集会の様子を壁新聞などにまとめさせ、活動のよさを味わわせましょう。
集会での様子の写真や「見守り隊」の代表者の言葉を掲示したり、各学年の感想文などを集めたりしてつくっていきます。
低・中・高学年用のグループに分け、新聞づくりを行わせることで、相手意識を高め、高学年としての意識を高めることができます。
集会委員会が進める 「6年生を送る会」
事前の計画と準備
「6年生を送る会」では、5年生が中心となって計画や準備をしていきます。そのため、運営委員会の5年生が計画を立てますが、準備等は各委員会にお願いするのもよいでしょう。
事前の計画と準備は、5年生が中心となって運営していくため、大会当日の役割分担やリハーサルなど、教師の適切な支援のもとで、子供たちとともに進めることが大切です。また、活動の振り返りをもとに最上級生としての意欲を高めましょう。
事前準備
- プログラム
- 壁飾り
- 花道のブーケ
- プレゼント等
必要な役割分担
- 進行
- 記念品の贈呈
- 音楽担当
- 児童代表の言葉等
6年生を送る会本番
この集会においても、3密を避けるために、参加者を限定したり、6年生の間隔を開けたりする工夫が必要です。
参加する児童数や6年生の人数などをもとに配置を考えましょう。
また、各学年からの発表は、事前にビデオ等を撮っておき、ステージに映し出します。そうすることで、各学年からの感謝の気持ちを伝えることができます。
また、集会の様子はオンライン(校内放送)を使って、各学級に放送しましょう。
大会のまとめ(ありがとうのメッセージ)
集会後は、6年生全員に全校に向けた「ありがとうのメッセージ」をつくってもらい、校内に掲示しましょう。顔写真や学級や名前、クラブなどのプロフィールを載せることで、在校生はより身近に感じることができます。
イベント活動における感染症対策
新型コロナ禍の中、感染症対策については、教師が適切に助言しなければなりません。子供たちに委ねる内容と教師が支援する場面とをしっかり見定めることで、イベントの楽しさを損なうことなく、感染症対策を講じることができます。
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2021年2月号より