係活動を充実させる! 係の発表会
最近、係活動がマンネリ化してきた、係活動が停滞している…なんてことはありませんか。子供たちの活動の意欲を高めるためにも、発表の機会を設定してみましょう。発表の場は、お互いの活動を知ることにもなり、他の係の活動を自分たちの活動にも生かしていくことができます。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・栁生実華
目次
何を発表するのか考えよう
まずは、係の発表会でどんなことができそうか、係のメンバーで相談させます。
とはいえ、中学年では、係の発表と言っても、何をやったらよいのか分からない場合もあります。そんなときは、「こんなこともできるよ」と具体的な例を示してあげるとよいでしょう。
発表の例
- お笑い係……コント、漫才
- レク係……みんなでできるミニゲーム(宝探し、ビンゴ大会など)
- ランキング係……好きなものランキングの発表
- イラスト係……イラストコンテストの表彰
- なぞなぞ係……クイズ大会
- 新聞係……クラスの10大ニュースの発表
- ミュージック係……好きな曲ベスト10の発表など
コロナ禍の今は、事前にビデオで各係ごとに発表を撮っておき、上映するなどの工夫をすることも考えられます。
発表に向けての準備をしよう
発表することが決まったら、係ごとに準備を進めましょう。事前にアンケートを作成したり、役割分担をして練習したりします。
教師は、準備の様子をしっかり見て、発表の時間配分や発表することの分量や、発表の内容に人を傷付けることがないかなど、具体的に把握しておくことが大事です。
さらに、「時間の確保」「練習の場」「必要な道具」を考え、発表に向けて見通しをもたせながら準備を進めましょう。
また、係発表会を盛り上げる工夫を、子供たちと学級会で話し合ってみてもよいですね。
当日に黒板アートで盛り上げる、音楽を流す、発表会までのカウントダウンカレンダーを作る、お楽しみタイムをつくる、座席を工夫する、教室を飾り付けするなど、盛り上げ方をみんなで話し合って決めたり、プログラムや司会、タイムキーパーなどの係を分担したりします。
進行役の司会は、自分の出番もあるので、前半と後半で分けて2組決めるとよいでしょう。まずは、主体的に発表会を行おうとする気持ちを高めることが重要です。
いよいよ発表本番!
準備ができたら、いよいよ本番。
どの係もたくさん準備してきたことを伝え、全ての係の発表をしっかり見て、しっかり聞こうとする態度を育てましょう。
また、失敗しても大丈夫という安心感のある雰囲気づくりが大切です。
発表する人は、みんなが聞こえる声で堂々とした態度で行うこと、また発表を見る人は、よく聞いて、盛り上げるところは盛り上げる、発表が終わったらしっかり拍手するなどの約束をあらかじめ話しておきます。
プログラムの例
決められた時間の中で、スムーズに進行するには、タイムテーブルを掲示しておくこともよいでしょう。あらかじめ、発表の時間は○分と決めておき、大きなタイマーを黒板にセットしておくことで、子供たちも時間を意識しながら、発表を行うことができます。
タイムスケジュールの例
発表が終わったら…
まずは、先生の話の中で、「自分たちの力で係発表会に向けて準備を進めてきたこと」「しっかりとみんなの前で発表できたこと」「他の係の発表をしっかりと聞くことができたこと」をほめ、子供たちのがんばりを価値付けしましょう。
次に、子供たち同士が、お互いによかったことなどを伝え合うことで、これからの係活動の活性化につながります。
係発表会後に、子供たちがふり返りに書いたことを学級通信に載せて保護者に伝えたり、子供たちが書いたメッセージカードや発表会のときの写真を教室に掲示したりして、子供たちの気持ちや様子を「見える化」することは、とても効果的です。
主体的に参加する意識が大切
クラスの中には、「みんなの前で発表するのが苦手」という子もいることでしょう。そんな子も、準備の段階でアンケートの作成や集計に関わったり、タイムキーパーなどの役割を担ったりすることで、発表会に主体的に参加する意識をもてるようにしましょう。
進んで発表会に参加する意識をもち、発表会の本番だけではなく、準備も含めて「誰かにやってもらう」のではなく、「自分が誰かのためにやる」という経験を、中学年のこの時期にたくさん積み重ねていきたいものですね。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年2月号より