学級活動(1) 課題意識を高める事前活動と話合いのポイント
学級活動(1)では、「事前〜本時〜事後」の一連の活動を適切に繰り返すことによって、よりよい学級や学校の生活に向けて自主的に行動できる子供が育ちます。ここでは、話合いを活性化させるための事前の活動から本時の話合いまでについて説明します。
執筆/福岡県公立小学校教諭・藤井龍一

目次
課題意識を高める事前の活動
事前の活動の中で、子供たちにしっかりと課題意識を持たせることが話合いを活性化させるこつです。
「課題発見の眼」を掲示しよう!
議題ポストに議題が集まらない! という経験はありませんか。こんなことを書いたらいいよという「課題発見の眼」をポストの近くに掲示することで、子供たちが共通の課題を見つけやすくなり、議題も多く入れられるようになります。
「議題ありがとう」コーナーの設置
計画委員による議題選定で選ばれなかった議題については、どのように処理するかを「議題ありがとう」コーナーで紹介しましょう。「議題ありがとう」コーナーを議題ポストの近くに設置すると、次の議題の参考にもなり、議題を出しやすくなります。
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議題の選定と決定のポイント
議題ポストに議題が集まったら、計画委員会の出番です。集まった議題から次の学級会で話し合う議題を決めていきます。
議題選定のポイント
議題の中には、子供たちに決定を委ねることができないものもあります。
子供に任せることができない問題
- 個人情報やプライバシーの問題
- 人を傷つけるような結果が予想される問題
- 教育課程の変更にかかわる問題
- 校内のきまりなど変更にかかわる問題
- 金銭徴収にかかわる問題
- 健康や安全にかかわる問題
議題決定のポイント
選定が終わると、いよいよ学級会で話し合う議題を決めます。議題を決定する際には、次のような視点を与えましょう。
子供とともに議題を決める視点
- 学級目標に迫れる議題か(目的性)
- 学級の全員にかかわる議題か(相互性)
- 今の時期に決めるべき議題か(適時性)
- 自分たちで解決可能な議題か(自治性)
計画委員は、議題の選定から話合いの司会までを行う学級会の運営者です。すべての子供が経験できるようにしましょう。
計画委員会の見える化を行いましょう
計画委員会は、1週間を目安にして計画的に進めていきましょう。また、計画委員会の取組を表にして掲示しておくことで、どのように進めていくかが明確になります。
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計画委員は、話合いがよりよく進むように、どんな工夫ができるかなどを話し合い、準備させることで自分たちの話合いという意識をより強く持てます。

学級会ノートで考えを明確に!
議題の説明と学級会ノートは、話合いの2日前に行っておきましょう。次の日に1度回収することで、子供たちがどんな考えを持っているかを知ることができます。
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また、ノートには、発表への意欲づけとなるコメントを書き入れておきましょう。
そうすることで、子供たちは、自分の考えた意見に自信を持つことができ、意欲的に話合い活動に参加できるようになります。
意見を活発に出させるこつ!
意見を出し合う活動では、進行の意見の求め方(順番)が大切となります。
まずは、出された意見と「同じ意見や付け加えられる意見」を引き出します。その上で「別の意見」を求めるようにすることで、たくさんの子が発表することができます。
同じ意見でも、しっかり発表できた子への称賛を忘れずに行いましょう。そうすることで、どの子も意欲的に手を挙げ、発表することができるようになります。
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2021年1月号より