最後の3か月! 「三学期のめあてカード」ラストスパート!
学年最後の学期です。次学年に向けて、子供一人一人のさらなる成長を促せるよう指導をしていきましょう。「めあてカード」を使って、具体的かつ意味のあるめあての書き方と指導法を紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・桐川瞳
目次
意味のある「めあて」にするために
一、二学期と駆け抜けてきた今年度があと3か月で終わります。冬休みを終え、登校してきた子供たちに「三学期のめあてを書きましょう」と、指示を出す先生も多いはずです。
ここで大切なのは、意味のあるめあてになっているか、ということです。自分をふり返り、課題を見付けて、改善していかなければなりません。
先生の声かけや準備次第で、子供たち一人ひとりが具体的で、意味のあるめあてを考えることができます。
まずは先生の準備が大切!
三学期のめあてを書かせる活動を行う前に、準備しておくものがあります。それは、一、二学期のめあてカードです。各学期のふり返りカードもあるとよいですね。
子供たちは「めあてを書きましょう」とただ指示をされても、深く考えずにめあてを決めてしまいます。そこで、これまで積み重ねたものを配付し、自分の姿をふり返ることができるようにするのです。活動前に先生も目を通しておくことで、個人に向けたアドバイスをすることができます。
子供に考えてほしいことを具体的に伝える
めあてカードを配付したら、子供たちに考えてほしいことを先生が具体的に伝えます。
- もっと自分で伸ばしたいことを決める
- 一、二学期の様子を思い出す
- 改善するための方法を考える
- めあてとしてまとめる
など、やるべきことを整理して伝えましょう。具体例も出すとイメージしやすいので、
- かけ算の筆算を間違えないようにしたい。
- 計算ミスが多かった。
- くり上がりの数字を必ず書く。たしかめ算をする。
- かけ算の筆算を間違えないようにしたい。そのためにかけ算の筆算をするときに、くり上がりの数字を書く。たしかめ算をする。
などの例を伝え、①から④に向かって、より詳しく、目標が具体的になっていることを全体で確認します。一日◯分、◯回など数字を入れるなどの指示をするのもよいでしょう。目標は立てるだけでなく、そのために自分が何を努力するのかが大切なのです。
三学期の終わりにふり返ること
三学期の終わりにも必ずめあてのふり返りをしましょう。一年間を通してできたことがたくさんあるはずです。ですが、子供たちは課題に目がいきがちです。先生からクラスとしても個人としてもできるようになったことをたくさん伝え、次の学年へ自信を持って進級できるようにすることが大切です。
また、三学期の課題は、次の学年でのめあてになります。めあてを立て、実行し、ふり返り、また新しいめあてを立てる。この流れを絶やさないことに意味があります。めあてを立てることの大切さを学年の終わりにも伝えましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年1月号より