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「小学校教科担任制」推進へ! 小学教育はどう変わるか

2019/7/8

今年4月、文部科学省は小学校高学年で教科担任制を推進する方針を示しました。小学校高学年で教科担任制をすでに実施している小学校もあります。令和の時代に求められる教科担任制について考えてみたいと思います。

撮影/金川秀人

小学校高学年の総授業時数は1015時間へ

まずは平成29年告示の小学校学習指導要領における授業時数を確認しておきたいと思います。下の表を見てください。ここに示されているのは、2020年度からの小学校の各教科の授業時数です。

小学校各教科等の授業時数

(出典:文部科学省通知 28 文科初第1828 号 平成29年3 月31日)
クリックすると別ウィンドウで開きます

注目していただきたいのは総授業時数です。小学3年生以上で現在よりも増えることになっています。現行の総授業時数と比較すると、3年生は945時間から980時間(+35時間)へ、4~6年生は980時間から1015時間(+35時間)へ増えるのです。

ちなみに、中学1~3年の授業時数は今回の学習指導要領の改訂では変化はなく、1015時間です。つまり、小学4年から中学3年まで、総授業時数は同じになります(授業時数の1単位時間が小学校は45分、中学校は50分であり、条件は異なるが……)。

しかも、小学校は外国語科、道徳の教科化、プログラミング教育と、新たに加わる授業も多いのです。高学年は内容が高度になっています。

現在、すでに教員の多忙化、長時間労働の問題は深刻です。学級担任制の下で学級担任が、毎日毎時間、質の高い授業をしていくのには無理があるのではないでしょうか。だからこそ、新学習指導要領が全面実施となる前に、高学年で教科担任制を推進する必要があります。

国が教科担任制推進へ動きだす

今年4月、柴山昌彦文部科学相は中央教育審議会(以下、中教審)に小学校高学年での教科担任制の拡大などを含めた「新しい時代の初等中等教育の在り方」を諮問しました。

小学校で教科担任制を推進するための議論は、小学校の教員免許制度の見直しと、それに伴う教育系大学の再編にまで発展していくと思われます。また、小学校で教科担任制を行うには、現状では教職員の数が足りないことは明らかであり、教職員定数の確保への議論も進んでいくと予想されます。

中教審では今後、約1年半にわたって審議を行い、答申をまとめるのは来年末になる見込みだということです。

新しい教科担任制とは?

教科担任制に注目が集まると、マスコミ等では「学級担任制と教科担任制、どちらが優れているか」のような取り上げ方をすることがあります。しかし、文部科学省は「小学校の高学年に導入する」と言っているのであって、低中学年で学級担任制がなくなるわけではありません。これまで教員が学級担任制で培ってきたスキルが無駄になるわけではないのです。

どちらがいいのか悪いのか、という問題ではなく、これからは、子どもの発達段階に合わせて、両者のいいところを組み合わせて運用していくべきでしょう。求められるのは柔軟な発想です。

それから、「中学校は無関係」ではない点も申し上げておきたいと思います。小中連携の取り組みを行っている中学校区は多いと思いますが、教科担任制で小中が連携していく方法も模索していくべきでしょう。

なぜなら、小学校から教科担任制に慣れていれば、中1になったときの環境の変化は小さくなり、中1ギャップの軽減につながるからです。さらに、中学校の教員が小学校の教室で、つまずきやすい部分を見越して、それを防ぐための指導を行えれば、中学校での授業がスムーズに進むはずです。中学校の教員にも利するところがあり、子どものためにもなります。これからは、中学校も変わっていく必要があると思われます。

実際に教科担任制を行う場合、全教科なのか一部の教科なのか、学年で行うのか複数の学年で行うのか、どうやって必要な人材を確保するのかなどにより、様々なやり方が考えられます。

全国には、すでに一部の教科で教科担任制を導入している小学校もあれば、全ての教科を学級担任が指導している小学校もあると思いますが、いずれにせよ、大事なのはこの機会に、各学校が新たな教科担任制のしくみを考えてみることでしょう。

取材・文/林孝美
『総合教育技術』2019年7月号より

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