学級担任の時短術④「通知表を効率的に作成しよう」

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小学校教員の「学校における働き方改革」特集!

仕事を効率化しつつも、授業や学級経営の質が落ちないような時短術について、毎月22日公開、全12回で連載していきます。第4回のテーマは、すべての先生方が心血を注ぐ「通知表の作成」の時短の技です。

執筆/千葉県公立小学校校長・瀧澤真

短時間の作業でも、誠実な所見文の作成は可能

7月、時間がかかる仕事といえば、通知表の作成がその筆頭となるでしょう。誠実に、一人一人の子供のことを思い浮かべながら作成していると、時間がどれだけあっても足りません。

私も担任時代に、所見にはなるべく同じ文章の使い回しはしたくない、できるだけそれぞれの子らしさが表れたものにしたいと思っていましたので、それなりの時間はかかっていました。単に効率だけを考えたら、定型文をコピー&ペーストすればよいのでしょうが、それならそもそも所見文など不要だと思うのです。評定にしても同様で、小学校のテストの点数だけで機械的にあてはめていけるわけではありません。

とはいえ、時間は有限です。誠実に取り組みつつも、なんとか効率的に進めていきたいものです。そこで、今回は、特に「所見文にポイント」を絞って、時短のコツを述べたいと思います。

①学校のルールや傾向を把握する

通知表作成に法的義務はなく、そのためその形式は学校ごとに異なります。市内で統一しているところもあるでしょうが、所見文の書きぶりになると、管理職の好みに左右されることも少なくありません。

例えば、私は以前、「〜〜する姿に、太郎さんの成長を感じました」と書いたところ、

・個人名は入れない
・教師の感想を書かない(事実のみ書く)

と指導されたことがあります。私自身は、所見とはそもそも「教師の意見、考え」なのですから、事実の羅列でよいのだろうか、教師からのメッセージなのだから、名前を入れてもよいのではないかと思っています。ですが、通知表を作成した段階で、管理職と争ってもあまり意味がないでしょう。

そこで、大切なのは、あらかじめその学校の形式や独自のルールを確認しておくことです。今年度異動してきた場合や管理職が代わった場合はもちろん、長年その学校に勤務している方も念のために確認することをおすすめします。

まずは、昨年の所見文を読むようにします。異動してきた方は、同学年の先生や教務主任にお願いして、何人かの所見文を読ませてもらいましょう。その際、せっかくなので、こういう表現はいいなと思うものがあったら、書き写しておきます。私は毎年こうしたことを行っていましたが、「こんな表現のしかたがあったのだ」とか、「こういう言い方をされたら子供はやる気が出るだろうな」という書き方に出合ったことが何度もありました。

異動がなかった場合は、自分の書いた所見を読み返し、書きぶりなどを確認しておくとよいでしょう(ついでに、昨年どのように修正されたかふり返っておきましょう)。

管理職が代わった場合は、一人分を仮に書いてみて、それを事前にチェックしてもらいます。その際、どうしてもこういう書き方をしたいという思いがあれば、それを伝えます。

一人分の通知表の所見文を書いて、校長に事前にチェックをあおぐ学級担任。

②おおよその内容でよいので多めに書く

前回(連載第3回)でお伝えした「個人カルテ」があれば、書く内容には困らないでしょう。ですが、教科の評価との整合性をとるために、教科の評価を出してから所見文を書き始めるという方がいます。そうなると結局、短時間のうちに所見文を仕上げなければならなくなります。それが多忙感を生みます。

ですので、評定は気にせずに、まずはどんどん書いていくようにするとよいでしょう。

例えば、私のこの記事の原稿は、はじめの段階では、実際の文字数の2倍は書いています。たっぷりと情報を詰め込み、2倍の量を書いて、あとで削っていくのです。そのほうが、厳選した内容で書こうとして筆が進まないよりも、結局は早く書き上げることができます。

場合によっては、筆が止まることもあるでしょう。そんなときは、その子のことは飛ばして、どんどん先に進めるようにします。最後までいったら、飛ばした子のところに戻ります。

それでもなかなか書けなければ、その子への理解が不足していたということです。再度、学習や生活の様子を確認していく必要があります。

③早めに着手し、少しずつ書き進める

気が重い作業の場合、細分化すると気持ちが楽になります。すると、多忙感も軽減されます。

そこで、1日に3人分だけ所見文を書くようにします。

それでも間に合うように、早めにスタートしましょう。例えば、40人のクラスなら、約13日間です。土日は計算に入れずに考えると、余裕をもって締め切りの3週間前には取りかかります。

1日3人分と決めているので、気持ちを楽に、通知表の記入文を作成する教師。

そんなに前では、教科の評定が決まらず書けないと思うかもしれませんが、先に述べたように評定を気にせず、とりあえず思いのままに書いていくようにしましょう。また、10分間時間が空いたら一人分書くなど、隙間時間も有効に使っていきましょう。

早めにスタートすることで、その子の見えていない部分を把握できるというメリットもあります。例えば、ある子は学習面ではたくさん書くことがあるのに、生活面では、ほとんど記録がないということがあります。そこに気付けば、これからその子の生活面に注意していこうと、自分の見方の修正を図ることができるのです。

イラスト/バーヴ岩下

『教育技術 小一小二』2020年7/8月号より

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