授業における3密対策を再チェックしよう

新型コロナ感染防止の観点から、いわゆる3つの密を避けるための対策がとられてきました。ウイルスの活動が活発なこの冬場に、再度、感染予防対策をチェックし、子供の健康と安全を考慮した学校生活を継続できるようにしていきましょう。

執筆/福岡県公立小学校教諭・中村雅司

授業における3密対策

教室の座席配置の工夫

飛沫や接触による感染を予防するためには、まず子供の座席配置を配慮する必要があります。次の図のように、児童一人ひとりの間隔を空け、できるだけ教室内で、広げて配置することが大切です。

教室の座席配置の工夫
密集や密接を避けるための座席配置(36人)

また、子供が向かい合って活動する際には、真正面にならないように可能な限りずらしましょう。

マスクや仕切りの活用

マスクや仕切りの活用

学校生活の中では、できるだけマスクを着用し、子供同士が接触する機会を減らします。机を離して配置するだけでなく、飛沫が飛ばないように、仕切りとなる板等を置くこともできます。

ただし、熱中症などの健康被害が発生する恐れがある場合には、マスクをはずし、他の対策を考える必要があります。

教室内の換気

窓や扉を開けたり、空調機器を活用したりして、教室内の空気を入れ替えます。夏場の暑い期間や、冬場の寒い期間は、快適な学習環境に配慮しながら換気を行っていきましょう。

休み時間には廊下側と壁面側の窓をそれぞれ開放して換気するようにしましょう。

なお、休み時間には子供が自主的に窓を開けて換気するように、声かけと指導を行います。

道具や設備の共有を避ける

子供が個人で持ってきた道具や、学校に保管してある道具の共有はできるだけ避けましょう。避けられない場合は、使用前の手指消毒の徹底と、使用後の道具の消毒を徹底することが大切です。

消毒の徹底

学校の実態によって、教室内で子供が共有する道具が異なります。実態に合わせて、教師が道具を把握し、適切に消毒していくことが必要です。

また、道具の使用を制限することもあるでしょう。自分が使う道具は、自分で準備することも大切になってきます。道具を使用する際には、使用前だけでなく、使用後も消毒や手洗いを行うように習慣づけましょう。

子供の共有が考えられる道具(例)

  • 掃除道具(ほうき、バケツ、ちりとり)
  • 鉛筆削り
  • ピアノ、オルガン
  • 発表用指棒 など
子供の共有が考えられる道具(例)
掃除道具、鉛筆削り、ピアノ
子供の共有が考えられる道具(例)

学習活動における注意点

各教科における感染対策を講じてもなお感染のリスクが高いものとして、以下のような活動が挙げられます。これらの学習活動については、実施について慎重に検討します。

各教科等に共通する活動
「児童生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワーク等」
「近距離で一斉に大きな声で話す活動」

理科
「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」

音楽
「室内で児童生徒が近距離で行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏」

図画工作、美術、工芸
「児童生徒同士が近距離で活動する共同制作等の表現や鑑賞の活動」

家庭、技術・家庭
「児童生徒同士が近距離で活動する調理実習」

体育、保健体育
「児童生徒が密集する運動」
「近距離で組み合ったり接触したりする運動」

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~』(文部科学省)より

子供が基本的に自分の席で学習を進めることを徹底し、席を離れて活動する場合には注意を払います。

体育の学習においては、新型肺炎の流行に伴い、運動不足による子供の体力の低下が考えられます。

学習の前後の体調確認に加え、水分補給や休憩が必要です。子供自身が自分の体力や体調を考えながら活動することも大切になります。自己指導能力を育成していくことも求められるでしょう。

また、活動する前に教師は、子供たちがその活動で行う身体的な動きを想定しておきましょう。身体的な接触や密集する場面を避けるためには、活動の事前確認を行っておくことが大切です。

デジタルコンテンツの活用

理科の実験や観察のように、複数の子供が同時に集まって見る活動では、特に密接、密集することが予想できます。実験動画や資料を活用し、密接、密集を防ぎましょう。

実験動画や資料を活用

※文部科学省、自治体、教育委員会からの指示を確認し、実態に合わせて工夫してください。

イラスト/菅原清貴

『教育技術 小五小六』2020年12月号より

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