ユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりをしよう
学習中に集中が続かなかったり、そもそも何をするか理解していなかったりと、授業に取り組めない原因は子供によってさまざまです。どんなことに困っていて、どのような支援が必要なのかを見極めることが大切です。同時に、ユニバーサルデザインを取り入れた授業づくりを意識することで、特定の子供だけでなく、より多くの子供が授業に安心して参加できるようになります。ユニバーサルデザインを意識しながら授業づくりを行いましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・藤井 翼
目次
学習の見通しがもてる工夫
前時まで
単元の学習計画や、前時までの学習の足跡を教室に掲示しておきます。それを授業の導入場面で活用することにより、「単元のゴールに向かって本時はどのような学習に取り組むのか」が明確になったり、前時までの学習と比較することで学習が深まったりします。
子供たちの刺激にならないように、なるべく教室前面ではなく、掲示する場所に配慮しましょう。
本時
本時の学習の流れを掲示することで、活動に見通しをもつことができ、安心して学習に取り組むことができます。学習の展開に合わせて矢印などの目印を動かすことで、子供たちは何を学習しているかが理解できます。
学習中の工夫
ミニ○○の活用
黒板の情報だけでは、学習内容を理解することが難しい子供も多くいます。机間指導の際 A3サイズ程度のミニホワイトボードを持ち歩き、分からない部分がある子供に視覚的支援をすることができます。
算数では、机間指導の際にミニアレイ図やミニ位取り板を併せて活用してもよいですね。
ICT機器の活用
子供同士が考えを共有する場面では、子供がノートに描いた図や絵、生活科で育てているものや作っているものを写真や動画で撮り、テレビモニターなどに映し出すことで、子供が何を伝えたいかがはっきりします。
自分の考えが友達に伝わり、認められることは、学習に向かう意欲にもつながります。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年12月号より