小2算数「九九表と九九のきまり」指導アイデア(13/17時)《2けたに1けたをかけるかけ算》
執筆/富山大学人間発達科学部附属小学校教諭・屋鋪善祐
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、前・富山県公立小学校校長・中川愼一
目次
本時のねらいと評価規準
(本時13/17時 九の段までのかけ算九九について学習した後)
ねらい
二けたに一けたをかける簡単なかけ算について、かけ算に関して成り立つ性質を活用して考える。
評価規準
かけ算九九の構成に着目し、二けたに一けたをかける簡単なかけ算について、かけ算に関して成り立つ性質を活用して考えている。(思考・判断・表現)
問題
どんな数が入るだろう。
① 21! 九九を唱えると、簡単!
②九九が使えない! どうやって求めればいいの?
九九表に空いたところがありますね。①には、どんな数が入りますか。
21です。式は7×3だけど三 ・ 七= 21で求めました。
九九をうまく使いこなしていますね。(範囲を拡大した部分を提示) では、②には、どんな数が入りますか。
え……! 九九表からはみ出ているよ。
式は、3×12だけど……。
かける数が9より大きくて、九九が使えないよ。
では、答えがないということですか。
でも、九九を使って求められるはず……。今までのかけ算のきまりを使って求めることはできないかな。
これまでに学習してきた九九表には含まれない部分(②)を提示します。すると、子供たちは今までの学習内容と比較し、「九九が使えない。どうやって求めればいいのかな」と、九九表に含まれない部分の求め方を模索していくでしょう。ここで、「答えがないということですか」と揺さぶりの発問を行うことで「、九九が使えるはずだ」「かけ算のきまりを使えば求められないかな」と既習のかけ算のきまりに立ち返って考え始める姿が期待できます。
学習のねらい
かける数が9より大きいかけ算は、どのように求めればよいのだろう。
見通し
- かけ算のきまりを使えば求められそうだ。(方法の見通し)
- 3×9= 27 より、答えは大きくなりそうだ。(結果の見通し)
自力解決の様子
A つまずいている子
かけ算のきまりを想起できず、求めることができない。
9より大きいときは、どうやって求めればいいの?
B 素朴に解いている子
3の段は、3ずつ増え ていく。 3×9+3+3+3=36
3ずつ増えるから、たし算で求めていくことができるよ!
C ねらい通りに解いている子
かける数が1ふえると、答えはかけられる数だけ増える。
3× 9= 27 3×10 = 30 3×11 = 33 3×12 = 36
かける数とかけられる数を入れかえても、答えは同じ。 3×12 = 12×3
かけ算のきまりを使えば、簡単に求められるよ!
学び合いの計画
どのように求めましたか。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2020年12月号より