子供たちが主役になれる学習発表会の工夫
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学習発表会は、平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めることが目的です。子供たちが主役になれる学習発表会の工夫を紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・栁生実華
目次
教科を生かすポイント
学習発表会は、各教科等で学んだことの発表の場として使います。例えば、社会や理科で学んだ環境についての課題を劇にして演じたり、保護者に提言したりすることが考えられます。ただし、教科等で学習したことの発表にならないように、その学校行事で育てたい資質・能力を明確にして指導していきましょう。
学習発表会に向けて
発表に向けて練習や準備に膨大な時間を取ることがないよう、しっかりと計画を立てます。
計画が決まったら、子供一人ひとりに自分のめあてを立てさせましょう。
「何を発表するのか」だけではなく、「発表を通して何を伝えたいのか」「そのために自分は何をがんばるのか」などを考えさせます。毎回の練習では、そのめあてに向かってふり返りを行うのはもちろんですが、互いにアドバイスをすることで、人間関係の深まりや成長につながります。
教師は、必要なときに、必要な助言を出せるよう見守っていきましょう。
演出のポイント
単調な発表会にならないように、音楽やダンス、グループや全員など発表の内容を考えましょう。限られた時間の中で準備を行うことを考え、大道具をプロジェクションマッピングにしたり、写真やインタビューはスライドショーを用いたりして、ICTを活用するのも効果的です。
また、子供たちに学習したことからクイズを考えさせ、観客参加型などにしてもよいでしょう。
グループごとに、観客に学習したことを伝えるためにはどうしたらよいのか考えさせ、子供たちが主体的に学習発表会に参加できるように工夫してみてください。
学習発表会後には…
学習発表会が終わった後には、保護者の感想を聞かせたり、当日の様子を録画しておいたものを鑑賞したりと、余韻を味わいたいものです。
さらに、学習発表会を通じて「どんなことを観客に伝えられたのか」「どんな自分に成長できたのか」など、今後の学校生活の中に生かしていけるようにふり返りを行いましょう。各学年の発表を見た感想を書くのもよいですね。学年を越えて感想を交流し合うことで、子供たちの意欲の向上につながるはずです。
ぜひ、一人ひとりが主役として輝く学習発表会になるよう工夫してみてください。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年10月号より