子供とのコミュニケーションで学級づくり【休み時間のトラブル】
クラスが乱れがちな11月。今年度の後半を子供たちと楽しく過ごすために、クラスを落ち着かせる「子供との関わり方」について考えます。ここでは、休み時間でのポイントについて解説します。
お話しを伺ったのは…
千葉県公立小学校教諭・飯村友和
神奈川県公立小学校校長・小嶋千里
岐阜県公立小学校教諭 杉本大昂
目次
子供たちの様子を見るポイントと留意点
- どこで、誰と、何をして過ごしているか
(教室や校庭の他にトイレ、図書室、廊下などもチェック) - 誰が中心的な存在になっているか
- 誰もが安心して過ごせているか
(一人ひとりの表情をチェック) - 全校のルールが守られているか
(小嶋千里)
友達関係を確認し、気になる子には声をかける
誰と誰がいっしょにいるのか、ひとりぼっちになりがちな子はいないか、よく観察します。ふざけてじゃれているように見えても、一方的に攻撃を受けている場合もあるので、注意深くよく観察することが大切です。気になる場合は、攻撃を受けているように見える子に対し、個別に「あれって本当は嫌じゃないの?」などと聞いてみることも大事です。
(飯村友和)
休み時間の正しい過ごし方を子供たちに考えさせる
教師のほうから「休み時間は~しなさい」という指導をするよりも、どう過ごすとよいのか、子供たちに話し合わせたほうが効果はあります。
「休み時間に暴れてはいけない」「走り回ってはいけない」「次の授業の準備をしてから休み時間にする」などは、言われなくても子供たちも分かっています。分かっていることをガミガミ言われても、子供は動きません。
自分たちの問題として、話し合うようにさせ、どのように過ごすのかを決めさせるとよいでしょう。
(飯村友和)
孤立している子やありがちなトラブルの対処法
孤立しがちな子には、まずは教師が話し相手になってあげます。そして、周りの子とつないであげるとよいでしょう。
人のものを勝手に触る、走り回ってけがをするなど、休み時間にありがちなトラブルとその防止策としては、人のものを勝手に触って壊してしまった事例や、走り回って友達にぶつかり、大けがをさせてしまった事例などを先に話しておくとよいでしょう。
(飯村友和)
先生はさまざまな意見の「交通整理」役になる
例えば学級のボールの取り合いなどが起こったら、子供たちの意見や不満を中立的な立場でよく聞いて整理をします。そのうえで、クラスのみんなで解決策を考えるのもよいでしょう。「こういうことで〇〇さんたちが困っているのだけど、どうしたらいいかな?」と投げかけるようにしましょう。
(小嶋千里)
休み時間に子供と遊ぶときは「先生」のバイアスを外してみる
学級の子といっしょに遊ぶことは、実態や様子をつかむという意味でも、「絆づくり」を促していくためにも、とても重要なことです。私は遊びのメリットを最大限に発揮させるために、いっしょに遊ぶ際には、「先生も入るけど、遊びなんだから、“杉本先生”ではなく、“ひろたかさん”て呼んでね。トラブルが起こっても、自分たちでまずどうにかしてみてね。先生、ちゃんと見守ってるから」と伝えます。
つまり、遊びのときは、「先生」というバイアスを外すのです。そしてもめごとが起きても、「この子たちは、どうやってこのトラブルと対峙していくんだろう」と思いながら見守っていきます。
(杉本大昂)
取材・文・構成/出浦文絵 イラスト/宇和島太郎
『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より