小6国語「世界に目を向けて意見文を書こう」指導アイデア
教材名:「世界に目を向けて意見文を書こう」東京書籍
指導事項:〔知識及び技能〕(2)ア 〔思考力、判断力、表現力等〕B(1)イ・ウ・エ
言語活動:ア
執筆/京都府公立小学校教諭・加藤理沙
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈 京都市総合教育センター研修主事・藤本鈴香
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、これまでに意見文や報告文など様々な文章を書いた経験を振り返り、世界や社会の出来事を取り上げ、資料を活用して、説得力のある意見文を書く力の育成を目指します。また、目的や意図に応じた書き方を身に付けることをねらいとしています。
説得力のある意見文を書くためには、資料から様々な情報を見いだし、その事実に対して自分がどう考えたか、事実と意見を区別して明確に書くことが必要です。
自分の意見を述べる際には、考えの理由として、資料に挙げられている数値を具体的に取り上げたり、事実や事例を関係付けたりするなど、自分の意見に説得力を持たせる工夫をすることが大切です。
また、自分の考えや主張が読み手によく伝わるように、論の組み立て方を考え、筋道の通った文章を書くことができるようにします。
②言語活動とその特徴
本単元では、「資料を活用して、事実と意見を明確にした説得力のある意見文を書く」という言語活動を位置付けます。説得力のある意見文を書く活動を単元のゴールとすることで、どのような資料を活用し、どのように表現して書くとよいか、目的や意図に応じた書き方について理解を深めることができるようにします。
書いた意見文を友達と読み合うことで、表現の工夫に気付き、獲得した言葉の力をこれからの表現活動につなげられるようにします。
単元の展開(7時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①国語科や社会科等で意見文を書いた経験を振り返ったり、意見文のモデルを参考にしたりして学習の見通しをもち、学習課題を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
【学習課題】資料を活用して、論の組み立てを考え、説得力のある意見文を書こう
第二次(2~6時)
②教材文「世界に目を向けて意見文を書こう」の意見文のモデルを読み、説得力のある意見文の書き方について考える。
③教材文の資料や自分で調べた資料から読み取ったことを基に自分の考えを深める。
→アイデア2 対話的な学び
④自分の考えや主張をどのように述べるか、資料から読み取ったことを関係付けながら理由や事例を挙げて論の組み方を考え、構成メモを書く。
→アイデア3 深い学び
⑤⑥構成メモを基に、表現を工夫しながら意見文を書く。
第三次(7時)
⑦書いた意見文を読んで、友達と感想を伝え合う。
⑧説得力のある意見文を書くために工夫したことや、これからの書く活動に生かせることを確かめ、学習を振り返る。
アイデア1 既習学習で書いた文章や意見文のモデルを見て、学習の見通しをもとう
説得力のある意見文を書くために
複数の意見文のモデルを読み比べ、良さや課題を話し合う活動を設定することで、本単元で身に付けたい説得力のある意見文を書くためのポイントが見付かり、主体的に書く姿につながります。
▼黒板例
イラスト/斉木のりこ 横井智美
『教育技術 小五小六』2020年11月号より