【相談募集中】音楽専科を続けても、周囲からは認めてもらえない?
音楽専科の腕を磨いていきたい気持ちがあるけれど、”担任を持てない人”と思われながら、この先ずっと過ごしていけるとは思えない…。そんなジレンマを感じている先生から「みん教相談室」に届いたお悩みに、北海道小学校合唱教育研究会事務局長・畠山美砂先生は、こう回答しました。
目次
Q. このまま音楽専科を続けていっていいのでしょうか
公立小学校の音楽専科です。16年目(育休を除くと11年目)です。2年前までは担任をしていましたが、音楽専科が勤務校に来ないことが判り、以降専科をしています(コロナ禍以降です)。大学の専攻は音楽で、音楽が好きです。
専科は、何かと蚊帳の外になりがちであるのと、担任をしておらず、深い指導のできる児童もいないので孤独を感じます。加えて、今年赴任された管理職からは、担任をしていないことを面談で問われました。この時、初めて専科をしている=担任を持てない人と認識されているのだとわかりました。
私の住む地域では音楽専科は非常勤講師が担うことが多いため、仕方ないのかもしれません。ですが、私は音楽が好きです。このまま専科で腕を磨いていきたい気持ちがあります。
けれども、担任が持てない人と思われたまま、さらに孤独なままで残る20年を過ごせる気はしません。 そして、あと数年で異動があることを考えると、専科ばかりしている人を望む学校はあまりないのではと思い、担任を希望して戻るべきかとも思います。
要は、「したいこと」と「周りからどう思われるか」が解離しているのです。 研究会に所属しています。何か応募したりやりきれば、もう少し答えが出るのかもしれないなと思っています。
何か別の視点があれば、またこのような時期を乗り越えられた方のアドバイスがあれば大変嬉しいです。(くいしんぼう先生・40代女性)
A. 信念をもって指導していれば、必ず評価につながっていきます
全国各地、地域によって専科を含め、教員の配置の考え方も様々のようです。
私が知っている限り、関東圏では、小学校音楽の専科体制が確立されていますし、千葉県や兵庫県の一部では、小学校の音楽専科の先生が異動で高校の音楽専科になることも少なくないようです。そこでは、小学校での丁寧な関わりと経験が生かされているそうですよ。
私が勤めている北海道札幌市でも、専科をしているからといって、担任をもてない人だという認識はありません。音楽に限らず、英語専科や理科専科などもありますし、逆に、「専門知識をもっていて質の高い授業ができる先生、教科のプロ!」という感覚です。ですから、大変驚きました。お辛い思いをされていらっしゃることと推察いたします。
私自身、若い頃に音楽専科をしていた際、ある学級担任の先生に「学級がうまくいかないから、音楽専科でも来年やろうかな」と言われた経験があります。「専科の大変さも分からず、なめられているなあ」と感じたことを思い出しました。
質問者様が勤務する地域の先生方や管理職全てが同じ感覚なわけではないと思いますが、偏った考え方をしないよう導くべき立場の管理職が、思慮の浅い発言をされたことはとても悔しく、残念に感じます。
人のうわさも何日と言います。最初は色眼鏡で見られていても、しっかりと信念をもって子供たちを指導し、子供が変わっていく姿を見せることで、よい評価につながっていくと私は思います。
また、県内にとどまらず、違う地域の学校に思い切って異動することで、先生の力を思う存分発揮できる場合もあるのではないでしょうか。
いずれにしても、全国に仲間はいます。活動の幅を広げることも視野に入れつつ、自信をもって、音楽専科を務めてほしいです。応援しています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。