小6国語科「公共図書館を活用しよう」全時間の板書&指導アイデア

連載
国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小6国語科「公共図書館を活用しよう」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:公共図書館を活用しよう(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/神奈川県川崎市立はるひ野小学校・田中真琴

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、区立や市立など学校図書館以外の公共図書館を活用して、本と出合ったり情報を収集したりできるように、公共図書館の活用方法について学習するとともに、地域の施設を積極的に利用していこうとする態度を養います。
実際に見たり触ったりして情報に触れる経験の素晴らしさや面白さを感じるとともに、インターネットを活用して公共図書館から情報を集める利便性を感じ、より正確な情報を得ようとする態度を身に付けられるとよいでしょう。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、これまでの図書館の利用経験を出し合ったり公共図書館について調べてみたりすることで、本に接する機会を増やし、積極的に公共図書館や地域の施設を活用していこうとする態度の形成を目的としています。
子供たちが自力で訪れることができる身近な範囲に、公共施設や公立図書館がないという地域もあるでしょう。そのような場合には、「地域」の範囲を少し広げ、市内や県内に広げることも考えられます。遠足や校外学習で行ったことのある施設なら、一つや二つあるでしょう。
まずは、その施設を思い出し、どんなものがあったのか発表する時間を設けるのがよいでしょう。そのような活動の積み重ねが、公共図書館や資料館などの施設を身近に感じ、活用してみようと思う態度の育成につながります。
本単元では、公共図書館についてGIGA端末を用いて調べてみる活動を設定しました。
この学習の発展として、6年生であるならば、4、5年生のときに自然教室や修学旅行で出向いた地域の施設を調べてみることもできます。「地域」とは少しずれてしまうかもしれませんが、大切なのは、「行ってみたいな。」「便利そうだな。」と感じることです。何かを調べるとき、詳しく知りたいと思ったときに、インターネットに頼るばかりではなく、今回調べてみたような施設に実際に行ってみるのもいいな、自由研究で活用してみよう、と思う心を育むことがこの授業のポイントであり、それにふさわしい言語活動を設定しましょう。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 一人ひとりがじっくり資料に向き合える

1人1台端末のおかげで、各資料の配付やインターネットへのアクセスが容易になりました。公共図書館を調べる際には、しっかり時間を確保すると同時に、調べた後の共有の時間も大切にしたいところです。人数分のパンフレットを用意できなくても、端末の機能を用いれば全員に配付でき、子供一人ひとりが十分に資料と向き合えます。
また、画面の拡大も自由にでき、細部まで見やすくなるでしょう。ホームページでは、サイト内でページがいくつも分かれていたり、リンクが貼られていたりします。まずは、子供一人ひとりが興味をもった内容のページを見る時間を確保しましょう。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

(1)共有から広げる

上記で述べたように、子供一人ひとりが情報に向き合う時間の確保は十分に行いたいものです。
しかし、それで終わっては、もったいないですし、学級集団で学んでいる利点を生かしているとは言えません。自分はどんなことが分かったのか、友達はどんなことに興味をもったのか、共有し合うことで、同じ資料を見たはずなのに、得た情報や興味や関心が異なることに気付くきっかけになるでしょう。
特に、ホームページには多くの情報が載っています。目的の情報にたどり着けなかった子供がいるかもしれません。「え、どこにあったの?」と、みんなが驚くような情報を発表した子供がいた場合、どのようにサイト内を見たのか、どのタブからその情報を得たのか、全体で共有することで、ホームページの新たな見方を習得する学習にもなるでしょう。

6. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名: 公共図書館を活用しよう

イラスト/横井智美

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
連載
国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」

授業改善の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました