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職員のストレス状況に関心を向けていますか【赤坂真二「チーム学校」への挑戦 #20】

連載
赤坂真二の「チーム学校」への挑戦 ~学校の組織力と教育力を高めるリーダーシップ~

上越教育大学教職大学院教授

赤坂真二

多様化、複雑化する学校の諸問題を解決するためには、教師一人の個別の対応ではなく、チームとしての対応が必須である。「チーム学校」を構築するために必要な学校管理職のリーダーシップとは何か? 赤坂真二先生が様々な視点から論じます。
第20回は、<職員のストレス状況に関心を向けていますか>です。

執筆/上越教育大学教職大学院教授・赤坂真二

ストレスに晒される教職員

平成29年12月27日に発表された、「平成28年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」によると、鬱病などの精神疾患で休職した公立学校の教員が、平成28年度は4891人となり、依然として高止まりしていることがわかりました。平成19年以降、5000人前後で推移しています。在職者の割合でいうと、約0.53%になります。また、同調査によると、懲戒処分または訓告等(以下「懲戒処分等」)を受けた教育職員は8038人(0.87%)で、 平成27年度の6320人(0.69%)から1718名増加しています。そのうち、わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は、226人(0.02%)で、平成27年度(224人)から微増(過去最多)、また、体罰により懲戒処分等を受けた者は、654人(0.07%、懲戒処分162人、訓告等492人)で、平成27年度の721人(0.08%、 懲戒処分174人、訓告等547人)から減少となっています。

これらの全てが職務上のストレスから起こっているとは断定できませんが、公立学校教職員の1%強が、休職、懲戒処分等のリスクを背負っていると指摘できます。こうした職員がゼロの学校もあるわけですから、逆に言えば、複数の職員が該当してしまう学校もないわけではありません。勤務できない状況の職員が出れば、通常の業務に支障が出ます。また、非違行為などによって処分を受ける教師がいれば学校としての信用問題にかかわります。今のようなマンパワーの少ない状態では職員全体が痛手を被ることは目に見えています。講師不足の昨今、代用教員をすぐに確保することも難しいです。勤務のできない職員が出ることは、勤務可能な職員をストレスに晒すことになります。そして、数字にはならない、「予備軍」が大勢いることも職員室をよく見ている管理職の皆さんならおわかりのことと思います。

職員のストレスの要因として、まず思いつくのが多忙感でしょう。教師が多忙であることは、業界内だけでなく、広く世間にも知られるようになりました。近年の学校は、多忙化を通り過ぎ、ブラック企業化さえ、普通に話題となるようになりました。

同僚性が解体される職員室

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