夏休み明けの衛生指導に取り組もう
夏休み明けは、低学年では、衛生に関することへの意識が薄れていることも考えられます。学級でのルールの確認、日々の手洗いの指導や教室環境の整備などを担任が意識して行い、子供たちとふさわしい生活のしかたを考えましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・藤井 翼
目次
一日の生活を見直そう
子供たちは感染症の予防や衛生について、すでに学校や家庭で話を聞いて取り組んできています。しかし、夏休み明け、低学年では、予防や衛生に関することへの意識が薄れていることも考えられます。学校生活を送るうえで、改めて学級全体で意識できるとよいでしょう。
学級でのルールの確認、日々の手洗いの指導や教室環境の整備などを担任が意識して行い、子供たちとふさわしい生活のしかたを考えて、学校生活を送りましょう。
感染症予防の基本を確認
「3密の回避」について、基本を確認し、低学年向けに話をしたうえで、具体的な指導をしていきましょう。
絵や写真を提示したり、クイズを出題したりするなど、子供たちが具体的な場面を思い浮かべられるようにすることが大切です。
身支度チェック・健康チェック
低学年のうちから、身支度を整えることを意識させると、中・高学年になるころには、定着していきます。手洗いをする機会が増えるので、ハンカチを忘れないように声をかけます。
はじめのうちは朝の会などに「身支度チェック」のプログラムを入れ、習慣化するよう工夫しましょう。慣れてきたら、日直や係の子供が行ってもよいでしょう。
身支度・健康チェック
□検温はしましたか。
□ハンカチは持ってきましたか。
□ティッシュは持ってきましたか。
□マスクは着けていますか。
□せっけんで手洗いはしましたか。
手洗いの指導
手洗いの際に、水で濡らしただけで終わらせてしまう子供も、低学年のなかには多くいると考えられます。衛生や清潔のためには、正しく手洗いをすることが大切であることを指導しましょう。教師が一方的に教えるのではなく、学級活動の(2)で指導するとよいでしょう。
養護教諭と連携し、「なぜ手洗いが大切なのか」「どのように手を洗えば清潔か」を考えられるとよいでしょう。『自分たちで見付けた手洗いのポイント』があれば、自分事として正しい手洗いへの意識が高まり、習慣化していきます。手洗いそのものだけでなく、水道付近での待ち方やハンカチでしっかりと手を拭くことも指導しましょう。
学級活動(2)
日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全
ウ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
①養護教諭の話を聞き、原因を考える
原因について、調べたり聞いたりしたことを発表して、原因を探ります。養護教諭と連携して指導することが有効です。
②予防で大切なことを話し合い、まとめる
感染症の予防で大切なことを出し合います。箇条書きにすることで、一人ひとりでめあてを立てる際に考えやすくなります。それぞれの項目で具体的な姿をイメージできるように話し合いましょう。
③自分のめあてを立てる
話し合ったことや、今までの生活をふり返り、一人ひとりが自分のめあてを立てます。具体的なめあてを立てることが難しそうな子供に対しては、前回話し合ったクラスの状況や、大切なことのまとめを想起できるようにするとよいでしょう。
④実践する
ワークシートを用意して、家庭でも実践しましょう。「おうちの人から」の欄を設けると、子供たちの意欲につながります。
☆生活習慣は、学校だけでは定着しません
子供たち一人ひとりが「自分が家族に教えるリーダーなんだ」という意識をもって、取り組むことが大切です。そうすることで、意識が向上し、活動の習慣化につながります。
⑤ふり返る
子供たちが家庭でも取り組むと、予防の方法や工夫がより具体的になると思います。取り組んだなかでの気付きや感想を共有し、ふり返りを行うことが、今後の活動への意欲につながります。
感染症予防を意識できる教室環境を!
子供たちだけではなく、教師が感染症予防への心がけを率先してもつことが大切です。換気や温度、湿度の管理など環境整備を行い、予防に努めましょう。
また、教室内に感染症予防についてのコーナーを設置するとよいでしょう。クラスで話をした予防の基本や手洗いのポイント、養護教諭から学んだことを掲示しておくことで、意識を高めることができます。
※各自治体のガイドラインに沿って指導を行いましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年9月号より