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クラスの荒れを防ぐ「アンガーマネジメント」活用術|元教師の専門家が伝授!

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学級崩壊・学級の荒れ:立て直しからリアルな緊急避難まで
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元宮城県公立小学校教員

川上淳子

すぐにカッとなる子、怒り出すと手をつけられなくなる子など、クラスの荒れの原因となる児童の対応に困っている、または、クラスが荒れてイライラが止まらず悩んでいる、という先生方もいるのではないでしょうか。今回は、長年小学校教師を務めたのち、アンガーマネジメントコンサルタント®に転身した川上淳子さんに、クラスの荒れを防ぐアンガーマネジメントの効果を詳しく聞いてみました。

「アンガーマネジメント」でクラスの荒れを防ぐ!

教師だった私が、アンガーマネジメントコンサルタントになった理由

私が、29年間公立小学校で教員生活を送る中で、常に難しさを感じていたのが、「怒り」に対する対処法でした。 

「思い通りにならないと、すぐに手が出てしまう子」「キレやすく、すぐに人やものに当たる子」など、怒りをコントロールできず苦しんでいる子供たちに対する、具体的な手立てを見つけることができませんでした。

また、悩みは子供の問題行動だけではありませんでした。

保護者のクレーム、上司や同僚に対するイライラ…など、自分や他人の怒りに振り回され、時には衝動的に怒りまくっては後悔を繰り返す教師の一人でした。

しかし、2014年よりアンガーマネジメントを学び、教室で実践を重ねてからは、怒りのメカニズムを考慮しながら適切な指導ができるようになりました。以前は、子供や保護者の怒りに対して対応を試みるものの、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともありましたが、それは怒りのしくみや性質がわからず、経験則だけで対応していたからだとわかったのです。

その後、もっと教育現場にアンガーマネジメントの手法を伝えたいと願うようになり、アンガーマネジメントの普及事業を立ち上げたのです。

教師には、「正しく怒るテクニック」が必要

アンガーマネジメントは、1970年代アメリカで生まれた心理トレーニングです。アンガーマネジメントは「怒らないことではない」が大前提。「怒る必要のあることは上手に怒れるようになり、怒る必要がないことは怒らないようになること」で、怒りの感情で後悔しないことをめざしています。

学級では、怒るときにはきちんと怒ることが必要な場面があります。

怒るタイミングを逃したり、怒ることを躊躇したりしたために、学級崩壊を起こしてしまうクラスも少なくありません。だからといって、自分の感情の赴くままに怒ってよいわけではありません。

教師こそ、怒りのしくみを理解し「正しく怒る」テクニックが必要なのです。

アンガーマネジメントを学ぶことで、「怒る必要があること」「怒る必要がないこと」を線引きし、相手に自分が怒っていることを上手に表現できるようになります。さらに怒りのしくみがわかるようになると、目に見える言動だけを取り上げ、「どうして叩くの?」「どうして蹴るの?」と子供を責めることがなくなります。子供たちの言動の背景に気付き、適切な問いかけができるようになるからです。そして、子供たちとの信頼関係もより強いものになります。 

「どうして叩くの?」「どうして蹴るの?」と子供を責めることがなくなる

学級経営におけるアンガーマネジメントの効果を実感

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