夏休み明けの低学年の生活指導はまず問題の発見から
長い休み明けの低学年の生活指導のポイントを紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・西田あすか
目次
子供の気持ちに寄り添って
長い休みは、不規則な生活になりがちです。休み明け、学校の生活リズムを取り戻すのに時間がかかる子もいます。また、「久しぶりの学校でどきどきするな」「みんなと仲よく話せるかな」など、不安に思う子もいます。
子供の気持ちに寄り添いながら、少しでも不安を取り除き、「みんなと勉強すると楽しいな」「明日も友達と遊びたいな」と思えるように教師が投げかけていくことが大切です。保護者と連携しながら、担任だけではなく、全職員で子供たちの様子をていねいに見ましょう。
問題の発見は、教師の種まきから
朝遅れて登校する子がいたり、授業が始まっても話している子がいたり、忘れ物が多くなったりと、さまざまな問題が出てきます。その都度、教師が「先生は○○なことが困っているよ。みんなはどうかな」と投げかけ、全体の問題となるようにしましょう。何度か同じような話をしていくうちに、子供たちから、「時間だよ」「静かにしよう」など、全体で話し合うきっかけとなる声が上がってくるでしょう。
注意し合うだけではなく、クラス全員が気持ちよく生活できるようにしていきます。
困っていることをみんなで確認
どんなことに困っているか、問題となっていることは何かをクラスで出し合います。みんなで話し合うことで、いろいろな問題を共有したり、再確認したりすることができます。
解決策を考える
共有した問題の解決策をみんなで考えていきます。話合いの進行は担任が行いましょう。たくさんの意見を出し合うことで、個人のめあてにつなげていくことができます。
めあてを決めて取り組んでみる
「早く起きる」「あいさつをする」「みんなと仲よくする」など、簡単なものでよいでしょう。
難しいめあてを立てることより、成果として表れることが大切です。休み明けの生活リズムを取り戻すために、自分から進んで取り組めるようなめあてになるとよいでしょう。
カードの例
- クラスの共通の問題をいくつか書いておきます。
- 低学年は、いくつか出てきた解決策から選ぶようにします。簡単な言葉でもよいので、一人ひとりがめあてを書けるようにしましょう。
- 夏休み明けの1週間に取り組むとよいです。
- まずは、1週間程度取り組んでみます。学級のマスコットなどの絵にすると楽しく色塗りをすることができます。
- 家族や教師からのコメント欄を設け、取り組みを励ましたり、価値付けしたりします。
学級活動(2)として取り組むこともできます。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年9月号より