授業参観&保護者会ベテラン教師の失敗談
授業参観や保護者会は、保護者を味方にするか敵にするかの分岐点。ベテラン小学校教員といえども、過去には思い出したくもないクレームや失敗体験があるものです。そこで、教育技術でもご活躍の先生方3人に、ご自身の苦~い経験を思い出していただき、授業参観&保護者会の失敗談を語っていただきました。新任教師も必読の「挨拶のコツ」も伝授します。

目次
授業参観の失敗談
掲示物が抜けていた子の保護者から猛抗議を受けた
A先生 若い頃、子供の一部の作品を掲示できず、保護者から厳しく指摘されたことがあります。「なぜうちの子だけないのですか?」「うちの子だけ、仲間はずれにされているようで、とても悲しかった」「どうして事前に知らせてくれなかったのですか」などと、連絡帳等にご意見をいただいたこともあります。
子供には事前に言ったつもりでしたし、そもそも図工の週だけ連続で休んでしまって、作品が完成できないのはわかるはずだけどなあ、じゃあいつ作ればいいのさ? なんて愚痴の一つも言いたくなりましたが、全員分そろわなかったこちらの負けです。
体操着を忘れた子を見学させ、保護者からクレームが
B先生 日常の授業で、体操服を忘れた子は、体育の授業に参加させないという若手教師がいました。忘れた子には、立って他の子の様子を見学させます。
この若手教師は、授業参観でもこのルールを適用したのです。すると、保護者から苦情が来ました。「確かに体操服を忘れた私の子も悪い。でも、授業に参加させないのは、やりすぎではないか」と・・・。
この教師はどうすべきだったのでしょう?
私なら、体操服を着させます。お母さんに電話をして持ってきてもらう、保健室から借りる、他のクラスに借りる、などなど。あらゆる手段を使って、体操服を着させます。
参観日は、保護者サービスの「ハレの日」です。それなのに、体育の授業に参加させずに立っている姿を見せるなんて、その子に恥をかかせているのと同じです。子供に恥をかかせるということは、保護者に恥をかかせているのと同じです。保護者サービスの日に、恥をかかせるなんて、もってのほか。
参観日は「ハレの日」、特別な日と考えて、保護者サービスに徹するべきです。
緊張しすぎて、板書に誤字が!
C先生 授業参観の際に、緊張しすぎて、誤字のままで板書をしてしまった先生がいました。しかも大きな字で赤チョーク。その後の一年間は、いろいろご苦労が多かったようです。
自分が楽しい授業をしていたらついていけないと苦情が来た
A先生 自分にとって楽しい授業をやってしまい、失敗したことがあります。これも教師3年目くらいまでのことです。その頃は、研究授業のような知的な授業や討論の授業がよいと思い、そうした授業をしたいと思っていました。自分が楽しければ、子供も楽しい、保護者も楽しい、そう勘違いしてしまったのです。
その結果、どうなったかと言うと、
「うちの子はついていけてない」
「〇〇さんばかり発言していた」
「先生は〇〇さんばかりひいきしている」
と保護者から、さんざんに言われました。今思えば、当然だよなと思います。
保護者が見たいのは、研究されたよい授業ではなく、子供の活躍する姿。今は絶対にやりません。