遠足・校外学習を成功させるための3つのステップ
遠足や校外学習は、子供たちにとって楽しみな学習です。だからこそ教師は、この遠足・校外学習で、子供にどんな経験をさせたいのか、どんな力を身に付けさせたいのか、ねらいをしっかりと押さえておきましょう。そのねらいを達成できるように、具体的な計画を立てていきます。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・藤井翼
目次
事前の準備
教師がやっておくこと
ねらいに沿った計画と綿密な下検分
遠足・校外学習のねらいを学年で共通理解して、計画を進めていくことが大切です。
また、校外での学習は事前に子供の活動を具体的にイメージしながら、じっくりと下検分を行いましょう。
★下検分チェックポイント★
□どのルートを通って目的地まで行くのか。
□危険箇所はないか。
□トイレはあるか。
□全員が集まれる場所はあるか。
□雨や災害時の避難場所があるか。 など
見学先の担当者との連絡
遠足や校外学習では、施設などを見学することもあります。その際、どのような学習の一環で見学を行いたいのかを含め、事前に見学依頼の連絡をしましょう。また、同時に施設での注意事項や要望などの聞き取りも行います。
自分の役割や立ち位置をしっかり確認
子供が歩いているとき、横断歩道を渡るとき、見学を行うときなど、教師はどの位置にいて何をするか、引率の教師間で綿密な打ち合わせをしておきましょう。特に、低学年の校外での活動は、不測の事態が起こる可能性があります。
引率の教師間で、すぐに連絡が取れるような体制を整えておくことも忘れずに行いましょう。
子供と一緒にやっておくこと
みんなで約束を決める経験を
校外で学習する経験が少ない低学年は、まず全体で約束を決めるようにしましょう。「移動の場面」「見学の場面」「お弁当を食べる場面」など、場面ごとに約束を決めてもよいでしょう。ねらいに沿って、子供自身が話し合い、約束を決めることで、活動への意識が高まります。約束はしおりに書いたり、教室に掲示したりしていつでも見られるようにするとよいでしょう。
一年生は、まずは教師が提示した約束を守ることを重点的に指導するとよいでしょう。
がんばりポイントを一人ひとりがもつ
一人ひとりががんばりたいことを意識すると、充実した遠足・校外学習になります。事前にしおりに書き、教師がチェックしておくと、当日の声のかけ方も変わってきます。
当日は
当日は、ふだんの学校生活では見られないものがたくさんあり、子供の意欲を高めることができます。可能であれば、学習に活用できそうな場面を選んで写真撮影をし、普段の学習につなげましょう。また、子供の様子を見て回り、健康観察も忘れずに行い、安全で充実した遠足・校外学習にしましょう。
事後のふり返り
遠足・校外学習に出かけたあとは、ふり返りを行いましょう。自分たちで決めた約束に照らし合わせたふり返りを行うと、次の活動への意欲につながります。学級活動でも教科学習でも、「課題に合っためあてを立て、実践し、ふり返り、次の課題を見付ける」という学習過程を身に付けることができるようにしましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年4/5月号より