ぬまっち流「職場の人間関係」に不安がある初任教師へアドバイス|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

新年度、先生方は新鮮な気持ちと特別な緊張感をもって臨むことでしょう。とくに今年度から新たに教員として採用された先生方は、希望とともにさまざまな不安を抱えているのではないでしょうか。今回は、独特の実践で子供のやる気を伸ばすカリスマ教師、沼田晶弘先生に、「職場の人間関係に不安がある」という初任の先生の悩みにアドバイスをいただきました。

ぬまっち連載
撮影/下重修

最低限のコミュニケーションは必須

ボクの学校は職員室にそれぞれの教師の机はなく、基本的には教室で仕事をするので、職員室の人間関係という点ではあまり経験がない。

もちろん職員室はあるし、そこに集まって話をしたりすることはあるけれど、実は職員室のコミュニケーションに限って言えば、ボクはそれほど得意ではない

仲のよい後輩からは、「沼田先生はコミュニケーション力は高いのに、職員室ではその能力を全然発揮できてませんよね」といじられるくらいだ(笑)。

得意とは言えないけれど、やはり教師としてプロの仕事をする上では、先生方や管理職とは最低限のコミュニケーションはとっている。

当然、必要最低限の業務上の話はするし、「ほう・れん・そう」も、ちゃんとする。

「苦手だからやらない」になってしまうと、後々もっと面倒なことにもなるしね。

雑談だって多少は参加するよ。でも、長すぎるな、多すぎるなと思ったら、そっと退散する。

初任1年目は、まずは同じ学年の先生に合わせる

経験が浅いうちは、職場の中に自分の価値観に合う人を見つけて、メンターになってもらうと心強いよね。

しかし、1年目は自分に合う先生がどの先生か、わからないことも多いだろうから、まずは同じ学年の先生に合わせてやっていくのがいいと思う。
職務中は同学年の先生とはできるだけコミュニケーションを取り、いろいろと教わったほうがいいだろう。

そうやって職場や仕事に慣れながら、いろいろな人の性格や価値観が分かってくるようになれば、自分に合う先生が見つかってくるかもしれない。もし、この先生になら相談できそうだなとか、もっとこの先生の話を聞いてみたいなと思う先生が見つかったら、積極的に相談したり、飲みに誘うなどしてみるといいだろう。

学校外にも相談できる人間関係をつくっておく

職場には、気の合う人もいれば、気の合わない人がいて当然だ。仕事をしていれば、意見のぶつかり合いはあるし、自分に対して当たりがきついなと思う先生もいるかもしれない。

でも同じ職場だからと言って、全員と仲良くなる必要はないし、気が合わない人とは最低限の話はしつつも、適度にソーシャルディスタンスを保っていればいいんじゃないかな。

職場のコミュニケーションが苦手な人は、職場外に相談できるチャンネルをたくさんもったほうがいいと思う。

例えば、仕事の悩みを職場で相談しづらいときには、大学の先輩だったり、研修で知り合った他校の先生などに相談できるといいよね。

学校内に相談できる上司がいたとしても、学校外にセカンドオピニオンを与えてくれる仲間をつくっておくことは、いろいろな意味で役に立つと思う。みんな自分のやり方が正しいと思っているけれど、そのやり方が他の人に当てはまるかどうかはわからないのだから、いろいろな考え方、やり方に触れておくことは大事だ。

研修会や講演会のほかにも、いまはオンラインサロンやClubhouseなど、気軽に自分のチャンネルを増やすチャンスがたくさんあるので、ぜひ活用してみるとよいと思うよ。

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沼田晶弘先生
沼田晶弘先生

沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『「変」なクラスが世界を変える』(中央公論新社)他。
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取材・構成・文/出浦文絵

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