小2算数「はこの形」指導アイデア(2/5時)《たからばこをつくろう》
執筆/福岡県公立小学校教諭・塩谷順平
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらいと評価規準
[本時 2 /5]
ねらい
箱をつくる活動を通して、箱をつくるために必要な面の形や数、辺のつなぎ合わせ方に気付き、箱の特徴をとらえることができるようにする。
評価規準
箱の形をつくるためには、同じ長さの辺をつなぐことや、向かい合う面をとなりにつないではいけないことを考え、説明している。[数学的な考え方]
問題場面
おたからがまもれるように、たからばこをつくろう。
おたからがまもれるように、きれいにつくろう!
昨日の学習では、面を紙に写し取って宝箱をつくりました。きれいな宝箱はつくれましたか。
線がふにゃふにゃで、すぐに壊れそうな宝箱になりました。
隙間がたくさんあって、宝物が出てしまいます。
工作用紙と6つの面の見本を準備しています。上手につないで、きれいな宝箱をつくっていきましょう。
前時では、宝物を入れるための宝箱(3辺の長さが3cm、6cm、9cm)をつくるという問題を設定し、画用紙で面を写して宝箱をつくる活動に取り組んでいます。2つの合同な長方形が3組必要なことなどに気付いていきますが、箱をつくろうとすると長方形を正確に写し取っていなかったり、画用紙ではゆがんできれいな箱の形に組み上がらなかったりします。
本時では、そうした学習を振り返り、工作用紙を使って、隙間もなくゆがみもない「きれいな」宝箱をつくろうというめあてにつなげていきます。
本時の学習のねらい
面をつないで、きれいなたからばこをつくろう。
見通し
長さの同じ辺をつなぐ。
自力解決では、宝箱と工作用紙の見本を4人につき1組与えます。宝箱は後に面の位置関係を話し合いやすくするために、赤、緑、黄の色を付けておきます。見本を見たり、宝箱の辺の長さを測ったりしながら、各自の方眼紙に6枚の長方形を確実に描かせます。その後、長方形を切って、テープで貼り合わせていきます。
自力解決の様子
Aつまずいている子
同じ長さの辺をつないでいない。
B 素朴に解いている子
同じ形の2つの長方形をつないでしまう。
C ねらい通りに解いている子
同じ形の2つの長方形を一つ飛ばしにつなぐなどして、直方体をつくっている。
Aの子どもには、宝箱の隣り合う面に着目させ、2つの面が長方形の同じ長さの辺でつながっていることを確認します。Bの子どもには、宝箱の観察を通して、それぞれの面が向かい合っており、直接つながっていないことに気付かせます。なお、展開図については第四学年で学習しますので、本時では6枚からなる展開図を習熟させる必要はありません。
学び合いの計画
イラスト/コダシマアコ・横井智美
『教育技術 小一小二 』2020年3月号より