• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

学校改革・授業改善で「奇跡」と言われた北海道の小学校

2019/5/11

全国学力・学習状況調査でこの数年で実力をぐんと上げたのが北海道です。道内でも非常に高い結果を出しているのが、「名寄小学校の奇跡」とまで言われた、北海道名寄市立名寄小学校です。 「学力向上」「若手教師の力量形成」「組織開発」の三重の課題に取り組み、学校改革、授業改善に大きな結果を出すことができた理由は何か。その背景には、メンターシステムを支えたミドルリーダーの教師たちの存在があるようです。

学力テスト
イラスト/伊神彰宏

理由1:学級経営の充実

理由の1つ目は、学級経営を充実させたこと。学力向上実践推進校の指定を受け、授業改革のための校内プロジェクトチームとして<学校力向上部>を立ち上げました。そのチームが中心となり、学力向上のための様々な取り組みを行ってきましたが、根幹に据えたのは学級づくりでした。

具体的には例えば、

①子どもが安心して学習できるよう学習規律を徹底する
②教員が自己の在り方を見直し、子どもとあたたかくつながる
③学校目標の達成につながる学級目標を子どもたち自身が考え、その実現を目指した活動をする
④学級会を充実させる
⑤授業中は、子ども同士が関わり合い、学び合う学習活動(チーム学習)を充実させる

などのことを行ってきました。

その結果、「授業がやりやすいですし、授業中、もしもわからない子どもが近くにいたら、わかっている子どもがさっと近づいていって助けるという姿がどの教室でも当たり前のように見られます」と着任6年目、学校力向上部の林琢磨教諭は語ってくれました。

理由2:学力向上を個業にしない

2つ目の理由は、学力向上を「担任の仕事」にせず、学校力向上部主導で動いている点です。

全国学力・学習状況調査に関しては、単に平均正答率を上げることを目的にするのではなく、重点教育目標「進んで学び基礎的・基本的な知識・技能を身に付けた子ども」を実現するために、5年生の3学期から学習指導の充実を図っていまする。その際、「5年生みんなで協力して勉強し、全員が成長しよう!」などの目的意識を子どもたちにもたせます。だからこそ、教員も子どもも頑張れるのです。

理由3:若手をみんなでサポート

3つ目の理由は、若手の育成に積極的に取り組んでいることです。

若手を育成するための対策として、メンター研修があります。全教員を4人ずつ6グループに分け、グループ内でメンティからメンターへの相談が日常的に行われています。うまくいかないときは、あたたかいアプローチでみんながサポートし、職員室には若手を育てるという意識、みんなで成長していこうというムードがあるとのことです。

理由4:教員をチームにする

4つ目の理由は、教員がチームになったことが挙げられます。

教員をチームにするために、欠かせないのはミドルリーダーの存在。「校長先生から示される学校の目標を、子どもたちの姿に置き換え、そこに向かってみんなで頑張ろう、みんなで頑張ったらこのように育ちますよ、ということを先生方に伝え続けることが大事だと思っています」(櫻田和歌子教諭)

「私はお願いしているつもりでも、『上から命令している』と受け取られてしまうことがあります。だからこそ、取り組みを進めていくには、ミドルリーダーが教職員にどのように伝えていくかが重要だと思います。本校では以前に比べ、先生方にチーム学校でやっていこうという意識が高まっていると感じます。ミドルリーダーたちが働きかけてくれたことで、先生たちの意識が変わっていったのです」(林雅裕校長)

さらに、教員たちへのサポートも、ミドルリーダーの役割となっています。動向では、林教諭は授業スキル、授業改善の面でのサポート、櫻田教諭はメンタル面でのサポートというように、役割分担ができていることも大きいようです。

取材・文/林 孝美

『総合教育技術』2019年5月号より

関連する記事

職員室記事一覧

新学習指導要領全面実施せまる!笑顔で臨む校内研修が授業づくりの力を伸ばす

「コミュニケーション能力」や「表現力」の育成を平成30年度のテーマとし、校内研究に取り組んだ千葉県我孫子市立新木小学校。これからの時代に必要となるであろうこれら…

イラスト/横井智美

全教員参加の模擬授業研修で目指す「外国語」授業づくりの強化策

新学習指導要領の実施の中で、外国語の授業づくりに学校全体としてどのように取り組んでいくか。校長の打ち出す方針が非常に重要になる場面です。「学校教育向上事業」研究…

学校経営

5月の学校経営─管理職の職務のポイント

新年度開始から1か月経過し、校務が忙しくなる5月。年度当初の学校経営目標に向かっているか、また軌道修正の必要性があるかなどを確認する時期です。 埼玉県川口市立公…

学校改革・授業改善で「奇跡」と言われた北海道の小学校

全国学力・学習状況調査でこの数年で実力をぐんと上げたのが北海道です。道内でも非常に高い結果を出しているのが、「名寄小学校の奇跡」とまで言われた、北海道名寄市立名…

校内研修

新学習指導要領移行期2年目。充実した校内研修とは

新学習指導要領の理念・趣旨を周知し、その全面実施に向けての改善を図っていくために欠かせないのが校内研修の充実です。移行期2年目となる今年度、どのように校内研修を…

硬派な対応術

危機を乗り切る“硬派なクレーム対応”術

保護者と王道の関係づくりをしていても、しばしば非常識な態度や理不尽なクレームに悩まされてしまうのが、学校現場の現実です。度が過ぎる保護者に対しては、時には、自分…

地域も巻き込んだ「チーム学校」で成功させる運動会

「チーム学校」の重要性が叫ばれる昨今、運動会はまさに、学校と地域が協力し合って実施する、チーム学校の実践の場とも言える行事です。管理職・各教師・保護者・地域が大…

いまさら聞けない!PC効率仕事術

教師の貴重な時間を奪うPC作業。わかりやすい整理方法や便利なショートカット機能など、効率的に処理するためのテクニックを、学校現場に詳しい神奈川県立総合教育センタ…

2019/4/8

大宮小学校掲示

「全国学力調査」を生かした学校改革・授業改善

全国学力・学習状況調査のおいて学校がするべきことは、調査結果を真摯に受け止めて、授業改善に生かすことです。それには全国学力・学習状況調査どのように生かせば学力の…

入学式 失敗しない教師ファッションの法則

4月。春の訪れを楽しむ間もなく、教師の皆さんは新学期や入学式の準備などで多忙を極めていることでしょう。そして、つい後まわしになりがちなのは、入学式の服装の準備。…

もっと見る