「おはスタ」で大合唱! withコロナでも子どもをつなぐ「合唱の力、歌の力」

テレビ東京系列で放送中のテレビ番組「おはスタ」では、番組オリジナル合唱曲「明日をつくろう」を歌った動画を募集し、全国の子どもたちを合唱の力でつなごうというプロジェクトが実施中です。

コロナ禍での合唱の授業や行事が難しい状況にあります。しかし、コロナ感染予防をしながら、友達同士や学級の仲間などで動画による大合唱に参加することで、歌うことの素晴らしさ、楽しさを感じ、絆を再認識できることにもつながるものと思います。今まで気づかなかったような新たな発見もあるかもしれません。

「おはスタ」大合唱プロジェクトにいち早く参加した東久留米児童合唱団そよかぜの指導者・東嶋裕子先生と、一緒に指導している娘さんの東嶋めぐみ先生に、参加してみての感想やコロナ禍で改めて感じた合唱の良さなどについてお話を伺いました。

東久留米児童合唱団そよかぜ「明日をつくろう」

合唱には声がひとつになる素晴らしさがある

――おはスタ大合唱プロジェクト「明日をつくろう」に参加することになった経緯を教えてください。

東嶋裕子先生(以下、東嶋) 今年の2月までは、週1回(土曜)平均4時間の練習をしていたんです。通常だとサマーコンサートや老人施設での奉仕コンサート、童謡祭り等も予定されていましたが、すべて中止になりました。

自粛中の3月から6月、練習場でのレッスンはありませんでしたが、4月はリモートコンサート実施しました。このとき、一人ひとり用のピアノ伴奏音源をピアニストの先生に作ってもらい、それに合わせて自宅で練習、LINEや電話でレッスンしました。このコンサートの中で家族も参加して歌った「パプリカ」のYouTube動画が「おはスタ」の制作をされている方の目に留まり、5月にリモート合唱で「瑠璃色の地球」を歌うことになったんです。

東嶋 それがきっかけで、今回の「明日をつくろう」も子どもたちが歌いたがっていると保護者から聞き、また参加しようと思ったんです。コンサートや地域のイベントもすべて中止の中、子どもたちのモチベーションを上げるのにいい機会だと考えました。

「そよかぜ」以外のリモート合唱も拝見しましたが、子どもたちがのびのび楽しそうにダンスや歌うのを見て癒されますし、それ以上に、外に出られずに我慢している中で、親御さんが屋内でいかに子どもたちを楽しませようとしているのかが伝わってきて頭が下がりましたね。

――リモート合唱を実施してみていかがでしたか。

東嶋 一人ひとりの声を聴く事ができるので、これまでは「しっかり歌えていないのでは?」と思っていた子が、実はきちんと音程もリズムも良いということがわかったりしました(笑)。その逆もあり、次回は注意しなければと思う子もいましたね。一人ひとり見ることができて、音程やリズム、メロディー、表情などそれぞれの得意不得意が判明して、以後のレッスンに大いに役立っています。

東嶋めぐみ先生(以下めぐみ) 一人ひとりオンラインで指導するのが大変でした(笑)。 最初は保護者の方々にお願いしてLINEで動画を送ってもらったんです。それを見ながら個別にLINEでメッセージを送って指導したり。LINEだけじゃ厳しいかなと思った子には直接電話して、電話口で歌ってもらったりしました。鍵盤ハーモニカを吹いて音を取ったりしながら……大変でした。

――ビデオ出演とはいえ、発表するという目標に向かって練習するのは、ただレッスンするよりきっといいですよね。

東嶋 励みにできたところもあります。テレビで人に見てもらうのは自慢にもなりますし楽しいですよね(笑)。「おはスタ」に出ることを目標に練習できたのは、コロナでたいへんだった時期に、とても良かったと思います。

とはいえ、小さい子は撮影するテンションに持っていくのがとにかく大変だったと保護者から聞きました。踊りながら曲を覚えるので、小さい子には振り付けがあるのはいいなと感じましたね。

リモート合唱の機会なんて今しかない!

――動画を編集したりするのが大変そうだと考える人も多いと思うんですが、実際のところいかがでしたか。

めぐみ 初めて「おはスタ」で「瑠璃色の地球」を歌うお話をいただいたときは、まず見本の動画と簡単な楽譜を作って、これを見ながら(聴きながら)歌ってもらえばいけるだろうなと思っていたんです。でも、やり取りしていくうちに、これじゃあ子どもたちはできないとわかったんです。それでどうやれば「できる」に近づけられるかを考えました。

小学生にとって「瑠璃色の地球」は難しい曲なんです。でもみんな必死に頑張っているんです。正しく歌うことはもちろん大事なんですが、動画ですし、子どもなので笑顔で明るく歌うほうがいいと思い、歌唱の正確さよりはそういうことを重視しました。「笑って!」「元気にね!」とか、すごく励ましながら歌ってもらいましたね。

保護者・佐藤さん 動画の編集は私が手伝ったのですが、やってみればできるもんですよ。先生がそういうのは苦手でも、保護者には得意な方がだれかいるはずですから。

東嶋 学校の時間がいつもより少ない中で動画を作るのは負担になるのかもしれませんが、興味がある先生方にはぜひチャレンジしてほしいですね!

――リモート合唱の動画、とてもいい仕上がりでしたよね。先生たちも頑張ったかいがあったのではないでしょうか。

めぐみ やり遂げたときは「朝日が眩しいな!」って思いましたね(笑)。保護者の方とも一緒に「やったね、私たち!」って喜びました。

――今のような状況だからこそ歌の力が及ぼす力も実感できるのではと思います。合唱でコロナに打ち勝て! と言いますか…。

東嶋 それはすごく感じます! コロナでこんなに大変で、しかも暑いのにマスクをして、そうまでして練習場に子どもたちが集まるのはなぜだろうって思ったら、やっぱりみんなで歌いたいんですよ。ほんとにものすごく楽しみにして来ますね。それだけ歌の力ってすごいなと思います。みんなで声を合わせるというのは、なんだろう…、体が震えますよね。いろんな声が一緒になる、ひとつになる素晴らしさがあります。

大人はもっと知恵をしぼって、子供のいる家庭を閉ざしたままにしない方法を考え、実行しなければと感じました。動画を撮影する親御さんや何度も歌い直さなければいけない子どもたち、それの編集作業などいろんな大変さはありますが、それ以上にテレビでオンエアされる喜びが大きいと思います。

――通常のコンサートのときと今回のリモートでは、やり終えたあとの感触も違いましたか?

めぐみ 全然違いましたね。普段だったらみんなでもっと分かち合えると思うんですよ。でも今回の場合は、子どもたちが個別に歌った動画を送ってもらったので、全体をわかっているのは私たちだけなんですよね。だから子どもたちは完成したものを見て、初めてどうだったかがわかるんです。

東嶋 テレビで、歌う子どもたちの動画を見て泣いちゃった保護者の方もいたそうです。学校の先生方もこの機会にチャレンジしてみる価値は絶対あると思います。リモート合唱できる機会なんて、今しかないかもしれませんからね。今でしょ!って感じです(笑)。

5分でいいから好きな歌を歌わせてあげてほしい

そよかぜ合唱団
東久留米児童合唱団そよかぜの練習の様子

――withコロナの状況はこれからも続くと思われます。今後の活動についてはどうお考えでしょうか。

東嶋 今のところはできる限りの感染予防対策をして、引き続き練習を行いたいと思っています。子どもたちや保護者がOKである限りは続けたいですね。歌いたい団員も募集する予定です。実際、練習を再開した7月から体験レッスンの問い合わせもいただいています。

お客様の前での発表の予定がないので、その分一回一回の練習で満足感があるように、小さい子は振り付けのある曲を取り入れたり、大きい子はパートを合わせて合唱の楽しさを感じられるようにしています。

東嶋先生
フェイスシールドをして指導する東嶋裕子先生。

コロナ禍での合唱練習にピッタリ! 合唱用マスク
マスクをつけて合唱するのは苦しくて辛い。フェイスシールドも自分の声が大きく聴こえて歌いにくい。それを改善する合唱用マスクが、今注目されています。
「東京混声合唱団が開発した歌えるマスクがとても素晴らしく、合唱団よそかぜでも、東京混声合唱団のマスクを参考にして保護者が作ってくれたものを使用して、練習しようと考えています。」(東嶋裕子先生)
東嶋めぐみ先生が着けて歌ってみたところ、「楽にブレスができますし、声も出しやすい。全然違う! これは楽」と驚かれたそうです。

――学校では、コロナ感染防止をしながらの音楽の授業や活動に困難さを感じています。また、授業遅れを取り戻すために、音楽(や図工)の授業が一部でおろそかになっているという状況も発生しています。そのような教育現場にメッセージをいただけますか。

東嶋 今、一番大変な仕事をなさっている学校の先生、本当にご苦労様です。勝手な意見ですが音楽の流れる昼休みや給食は、児童にとってホッとする時間でしょうね。児童がこれまでに演奏した動画や録音を聴いたりしてみると、盛り上がるのではないでしょうか。涼しくなったら、体育の時間に5分でもいいので、みんなで好きな歌を歌うのもいいのではないかと思います。

おはスタ大合唱プロジェクトとは

「おはスタ」大合唱プロジェクトは、番組オリジナル合唱曲「明日をつくろう」を歌った動画を番組内で紹介していく企画です。個人参加だけでなく、団体・学校参加も受け付けています。詳しくは以下の番組公式ホームページをご覧ください。

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© ShoPro ・TV TOKYO

取材・文/畑俊行

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