小2国語「大すきなもの、教えたい」指導アイデア
教材名:「大すきなもの、教えたい」(光村図書 二年上)
指導事項:Aイ・エ
言語活動:エ
執筆/茨城大学教育学部附属小学校教諭・菅原慎也
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、茨城県公立小学校校長・橋本浩志
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元は、子ども一人一人の「大すきなこと」「お気に入りのもの」を取り上げることで、自ら主体的に学習に取り組むことができます。一年生で学習した「たからものを おしえよう」でのことを単元の初めに想起することで、本単元で身に付けたい力を子どもたち自身も意識して学習を進めていくことができるでしょう。
そこで本単元では、「相手に応じ、身近なことなどについて、事柄の順序を考えながら話すこと」「大事なことを落とさないようにしながら、興味をもって聞くこと」の二つを指導事項として位置付けます。グループ学習の中で、話し手・聞き手の役割を持ち、相手に意見や感想を伝え合うことで、話すことだけでなく聞くことの大切さにも気付いていくことができるでしょう。
②言語活動とその特徴
本単元ではまず、自分の「大すきなもの」を二つ以上取り上げ、自己紹介をする時のようにその理由を考えます。その後、トランプ大のカードに自分の好きなものの名前やイラストを書きます。
自分の好きなものについて、どの順序で説明するか、理由をどのように取り上げるかなど、「たんぽぽの ちえ」で学んだ「順序」を想起しながら作成していきます。「自分でできた」という自信のもとで、相手に伝えたり、友達のことを聞いたりすることを言語活動として位置付けます。
単元の展開(7時間扱い)
主な学習活動
(1時)
① 教師による「大すきなもの」紹介を聞いて、自分の好きなものについて考える。
→アイデア1 主体的な学び
【学習課題】「すきなものカード」で、自分の好きなものについて友達に紹介しよう。
(2~4時)
②好きなものの理由を考える。(カード作成)
③④順序立てて発表原稿をつくる。
→アイデア2 深い学び
(5~7時)
⑤⑥「すきなものカード」を使って、好きなものを紹介し合う。
→アイデア3 対話的な学び
⑦「すきなものカード ゲーム」をする。
アイデア1 教師による、カードを使った好きなことの紹介
単元の導入で、教師によるグッドモデルを提示します。カードの中身は「文字だけのもの」「イラストだけのもの」「文字とイラストが書かれたもの」の三種類を用意しておくことで、その後の活動で子どもたち自身が選択してカードを作成していくことができるようにします。
▼すきなものカード
また、好きなことを一つのテーマにしぼらず、「趣味」「習い事」「食べ物」「好きな教科」といった様々なジャンルから取り上げていくことができるようにモデルをつくりましょう。
▼すきなものカードを使って発表
私の好きな教科は「国語」です。なぜかというと、いろいろなお話を読むことができるからです。二つ目は、「サッカー」です。なぜかというと、ゴールを決められた時がとても嬉しいからです。三つ目は…
「こくご」と「サッカー」を取り上げて、「こと」と「もの」の違いについての補足説明をすることで、子どもたちの学びにつながります。
アイデア2 聞き手を意識した発表原稿づくり
まずは、自分の大好きなものを紹介するために必要な情報を集めます。自分が選んだ大好きなことやお気に入りのものに対する思いを豊かにするために、特徴や理由をまとめます。
その後、「聞き手」を意識して発表原稿を作成します。「分かりやすい順序になっているか」「理由がしっかり書かれているか」など、相手に分かりやすく伝わるように書くことを伝えましょう。
イラスト/やひろきよみ 横井智美
『教育技術 小一小二』2019年9月号より