講演レポート|久保齋「漢字ドリルのマル付け地獄から抜け出そう」
3月末、愛知県岩倉市で学力研主催の「先生のための学校 開校記念講演会」が開催されました。登壇者は、赤坂真二先生(上越教育大教授)と、久保齋先生(先生のための学校校長)。本記事では、久保齋先生の講演内容から、特に印象深かった部分を抜き出して、動画と箇条書きで紹介します。
目次
漢字ドリルに手を出すな
漢字ドリルは、子どもにさせたら先生はマルをつけなければならない。自宅に学級分のドリルを持ち帰って夜遅くにマル付けしたりすることに、教育的価値はない。
だから、漢字ドリルには書かせない。指書きをさせて漢字を覚えさせる。指書きなら、教師はマル付けから解放される。書けるか書けないかは、テストでチェック。
準備不要の宿題プリント
宿題プリントとは、教師の過重労働地獄から抜け出すために考えたもの。漢字ドリルを基に、毎日漢字を2字ずつ出題。子どもたちは、漢字ドリルを見て写す。
下には熟語調べ、中央は10個の漢字テストの欄。漢字テストは、昨日、一昨日に習ったものから1つずつ出す。残り8つは、既習の漢字からアットランダムに出題。
これで100点とるのは大変。子どもたちは、このテストのために毎日全部の漢字を見てくるようになる。毎回、子どもは指がきして勉強してくる。テストの事前準備はいらない。テストの時に、漢字ドリルを見て、口頭で問題を言うだけ。
この宿題プリントをマルつけした後、子どもは家に持って帰る。宿題プリントには、漢字練習マス、算数の文章題、過去問の計算問題の欄がある
今日のがんばり欄は、宿題、時間割、体育の宿題、あいさつのチェック項目と、家の人への気働き欄がある。これは、家の人のためにどういう気働きをするか、ということ。
気働きの内容は常に変化する。ぎっくり腰だといえば布団を上げるのが気働き。いつも親のことを考えている子どもにするためにこれをやる。
「先生のための学校」とは
学力研が主催する授業実践連続講座。「教師の力量を高めたい」「気持ちよく子どもの力を鍛えたい」教師に向けて、久保齋校長はじめ、選りすぐりの学力研常任委員が半年計6回の講座を通して指導する。会員募集中。http://gakuryoku.info/
取材・文/編集部
久保齋先生の本
「子どもと保護者の信頼をつかむ! 授業づくりと学級経営の技88」
本体1700円+税 小学館
記事で紹介した講演の内容も収録されています。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09106756