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低学年にぴったりの「モジュール授業」アイデア5選

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大阪府公立小学校教諭

樋口綾香

45分授業では集中力が続かない低学年にぴったりの、楽しい「モジュール授業」アイデアを、学年別に紹介します。モジュール授業を活用して、基礎基本の定着や知識・技能の向上を図りましょう!

執筆/大阪府公立小学校教諭 ・樋口綾香

集中力が持続し、主体的な学びを獲得しやすいモジュール授業

モジュール授業とは、10分や15分など一定の時間で区切り、さまざまな教科を組み合わせて学ぶ学習形態のことです。私がおすすめするのは、15分1教科、45分で3本の教科を扱う授業です。

モジュール授業の有効性は、短時間の学習による集中力の持続性と子供の主体性、反復学習による基礎基本の定着、知識・技能の向上であると考えます。

15分間では、「深い学び」を得ることは難しいかもしれません。しかし、「主体的な学び」は得やすいのではないでしょうか。

また、基礎的な内容に絞って数週間反復して学習を行うことは、子供たちに安心感を与え、技能の向上を実感しながら学びを積み重ねることにつながります。

短時間学習や基礎基本の反復学習は、集中力をなんとかして長くもたせたい、読み書き計算という基礎基本の能力をしっかりと定着させたいと願う低学年の担任にとっても、楽しく安心して学びたいと願う子供にとっても、大変魅力的な学習形態ではないでしょうか。

1年生

国語 詩の音読・暗唱

詩を読むと、今まで使ったことのない言葉、知らなかった言葉、楽しくなるリズムなど、日常にはない言葉との出合いがあります。

音読にはさまざまな効果があると言われますが、詩の音読では特に「集中力を高めること」「語彙を豊かにすること」に効果があると考えています。言葉を発することによって、その声が自分の耳に届きます。自分の声を聞くのは、他者の声を聞き続けるよりも集中力が持続し、音の響きを感じながら語彙を増やすことができるのです。

低学年の子供は、リズムのよい詩が大好きで、歌うように詩を読みます。15分という短い時間に一つの詩を何度も繰り返し音読します。

先生「次は速く読みましょう」

授業の流れ

0分  全員で(先生と)詩を音読する。

速く読む。遅く読む。大きな声で読む。小さな声で読む。

5分  ペアで音読する。

声を揃えて読む。1行ごとに読む。向かい合って読む。背中合わせで読む。

10分 暗唱に挑戦する。

何度も練習し、最後に全員で音読する。

詩によっては、音読しづらい詩があります。五七調など、音読に適したリズムのよい詩を選んで子供と一緒に先生も読むようにします。

『音読詩集 ことばのアルバム』 (日本標準)という学習教材があります。学習指導要領に対応し、音読にふさわしい詩が数多く掲載されています。1〜2週間に一つの詩の音読・暗唱に取り組んでみるのがおすすめです。

子どもたち「あさのおひさまおおきいな」

国語 ひらがなしりとり  

ひらがなを学習し終わった一年生の子供は、「もっとひらがなを書きたい!」という意欲が高まっています。しかし、すぐにカタカナの学習が始まり、そのあとは漢字の学習。息をつく暇もなく、次々に新しいことを学習するので、ひらがなの定着が難しくなってしまうことがあります。モジュール授業の中で、ひらがなの定着を図るために、 「ひらがなしりとり」をします。

授業の流れ

0分  先生から「はじめの言葉」を提示する。

子供は国語ノートにはじめの言葉を写す。はじめの言葉の下に矢印を描いて、しりとりで言葉をつなげていく。

5分  ペアで答え合わせ。

10分 先生から「お題」と「はじめの言葉」を提示する。

例えば、はじめの言葉として「つゆ」と黒板に書きます。季節に関係のある言葉や子供が知らない言葉をあえて選ぶことで、語彙を増やしていきましょう。  

   つゆ→ゆき→きって→てがみ→…

5分経ったら、ペアでノートを交換し、しりとりになっているか、正しくひらがなが書けているか、実際にある言葉かをチェックします。言葉一つ一つを赤丸で囲むようにして、いくつの言葉が書けたかを記録します。時間制限や答え合わせ、記録を付けると子供の向上心を掻き立てます。 

2回目は、1回目よりもレベルアップします。次は、お題のあるしりとりです。例えば、「食べ物」というお題で、はじめの言葉を「いちご」とします。

子供は、「いちご→ごま→まんごう→うめぼし→しょうが→…」などと書いていきます。周りの子供と協力してもよいことを伝えておくと、対話的に学ぶこともできます。

子供1「いちご→ごま→まんごう→…」子供2「いちご→ごうや→やきそば→…」

算数 ジャスト10

「ジャスト10」は、10の補数の学習ゲームです。10の補数とは、10進法において一つ大きな桁に繰り上がるための最小の数のことです。例えば、「1」なら「9」、「2」なら「8」というように、たして10 になる数をいいます。

10の補数の学習を反復して行うことは、これから学ぶ繰り上がりのあるたし算や、繰り下がりのあるひき算の計算が速く、正確にできる力を育てます。

授業の流れ

0分 「ジャスト10」の説明をする。

一人で「ジャスト10」になる数の組み合わせを考えて、ノートに書く。

5分 「ジャスト」をペア学習で行う。

一人が1〜9までの好きな数字を言い、もう一人が10の補数を答える。ペアで交替しながら、できるだけ速く言えるように練習する。

10分 ペアで「ジャストトランプ」をする。

「ジャストトランプ」は、トランプを使ってジャスト10を行う応用編です。

1〜9の数字が書かれたカードを一人1セット配ります。「ジャースートーテン!」と言いながら、二人で同時にカードを1枚ずつ出します。二人は、出した2枚のカードの数字をたし算し、答えを言います。その答えがぴったり10になれば成功です。

何度も繰り返すことで、たし算は速くなり、10の補数も同時に覚えられるようになります。テンポよく、活気がある学習ゲームなので、子供の意欲や集中力が持続します。

子供たち「ジャースートーテン! (5+3で……)8! あ~残念! もう1回!」

2年生

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