小2生活「生きものとなかよし」指導アイデア
執筆/宮城県公立小学校教諭・下山俊子
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、宮城県公立小学校教諭・鈴木美佐緒
目次
期待する子供の姿
【知識及び技能の基礎】
生き物は生命をもっていることや成長していることが分かり、生き物に合った世話ができるようになった自分に気付く。
【思考力、判断力、表現力等の基礎】
生き物の育つ場所、変化や成長について考え、世話の仕方を工夫したり関わりを振り返ったりして、自分なりの方法で表現している。
【学びに向かう力、人間性等】
生き物を育てる体験を通して、成長の様子や変化に関心をもち、生き物への親しみをもって大切に育てようとしている。
子供の意識と指導の流れ
(15時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。
一年生では身近な自然に関心をもち、様子が変化していくことに気付きました。二年生になると地域に生息している生き物への興味・関心がさらに深まり、「生き物を見付けたい」「自分でも飼ってみたい」「どう変化するのかな」という思いを抱くことでしょう。
飼育活動は、活動が目新しいうちは興味を示していても、継続して飼育するとなると簡単にはいきません。興味本位だけではなく、じっくりと対象と関わることができるような学習活動を計画することが大切です。
○どんな生き物がいるのかな(1時間)
町探検などで出会った生き物を生き物マップに示し、子供たちの興味・関心を高めておきます。また、捕まえた生き物をどうするのか話し合い、飼育活動への期待や意欲につなげましょう。
○生き物をさがしに行こう(3時間)
すみかの様子に関する気付きは、事後の活動に関わってくるので、振り返りを大切に。また、生き物が苦手な子供には、間接的に関わることができるようにするなどの配慮が必要です。
○生き物をかってみよう(6時間)
名前を付けることで生き物への愛着が増してきます。さらに主体的な飼育活動が展開されるよう学習カードや生き物図鑑を教室に常設し、気付いたことを記入したり見合ったりできるようにしておくとよいでしょう。
○ひみつをつたえよう(3時間)
生き物に進んで関わるようになると、その様子や成長に伴う変化にも気付きはじめます。気付きを発表できる場を日常的に設けたり、生き物コーナーをつくって発信したりするなど、飼育活動と表現活動を繰り返し、気付きの質が高まるようにしましょう。
○みんな生きているんだね(2時間)
これまでのお世話を振り返りましょう。
だんだん○○の元気がなくなってきたよ。どうしよう。
仲間がいる元のすみかに返そう。
赤ちゃんが生まれたよ。うれしいなあ。
続けてお世話がしたいな。
だんだん上手にお世話できるようになったよ。
今までできなかったお世話にも挑戦したいな。
生き物の成長の様子や自分ができるようになったことに気付けるような振り返り活動を行いましょう。その際、今後の飼育活動に見通しをもったり、自分の成長を具体的に実感したりできるようにするとよいでしょう。
活動のポイント1
身近な生き物への関心から、飼育活動への意欲を高めましょう
普段目にすることの多い虫などのように、子供にとって身近な生き物を教材にするのがよいでしょう。また、飼育活動をいきなり投げかけるのではなく、繰り返し目に触れるようにしたり、意外な生態を紹介したりして対象への関心を喚起し、飼育活動への意欲を高めることも有効です。
どれだけの生き物が見付けられるかは、環境などによって差があります。これまで生き物に関わった経験、採集場所、採集方法等を事前に把握して、飼育する生き物を選択してください。例えば、ダンゴムシやカタツムリは入手も容易で、一人1匹以上飼育が可能です。虫が苦手な子供も、自分の虫かごを持つことで何かを入れたいと思うでしょう。
○マップを活用しよう
イラスト/熊アート 横井智美
『教育技術小一小二』2019年7/8月号より