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【中2・情報の時間「アンケート調査の設計」】自ら問いを立て、データを集める力を育む〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

前回に引き続き、愛知県高森台中学校の公開校内授業研究会から、「情報の時間」の授業レポートをお届けします。今回の授業は2年3組の加藤望教諭の授業。2年間、この授業を受けて情報の取り扱いにも慣れてきた生徒たちの取組を紹介します。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の36回目です。記事一覧はこちら

愛知県春日井市立高森台中学校

めざす学校像は「学び続ける力を育む学校」、めざす生徒像は「生涯にわたって自分の力で学び続けることができる生徒」。2022年度より文部科学省から研究開発学校の指定を受け、「情報の時間」を創設し「情報活用能力の育成」の研究開発を進めています。

ウォーミングアップで「目的に応じた質問づくり」を体験する

本単元「中学生の実態のデータを分析して、レポートにまとめよう」では、生徒が自らテーマを設定し、調査・分析を行い、レポートにまとめるという一連のプロセスを体験します。全14時間の単元の第8時となる本時では、「調査したいことを決めて、質問項目を考えることができる」を目標に、アイデア出しから仮説の立案、そして具体的なアンケート項目の設計までを行います。

授業の冒頭、加藤教諭は生徒たちの緊張をほぐし、脳をフル回転させるためのユニークなウォーミングアップを用意しました。「100人のマッチョたちの実態を調査しよう」という架空のテーマです。

まずは「マッチョ×〇〇」という形で、何を調べるかのアイデアを隣同士で出し合います。生徒からは「睡眠時間」「食事」「好きな歌」など多様な意見が飛び出し、チャットに次々と発信されていきます。

続いて、「マッチョ×食事」というテーマに絞って、仮説を立てていきます。「マッチョはたくさん食べるのではないか」「ラーメンは食べないのではないか」など、ここでもマッチョに聞いてみたいテーマのアイデアを考え、チャットに発信します。

こうした練習によって、生徒たちは「テーマ設定→仮説立て→質問作成」という一連の思考プロセスを体験します。このプロセスにより心理的ハードルが下がり、本題に自力で取り組もうとする意欲が高まります。

チャットに発信される生徒の書き込みを見ながら授業を進める加藤教諭。

「他者参照」と「AI活用」で、自由な発想を広げる

ウォーミングアップを終えると、いよいよ本題である「高森台中学校の生徒の実態」を調査するためのテーマの設定に入ります。取組の流れは「アイデア出し」「調べたいことを決めよう」「仮説を立ててみよう」「動画で学習」「質問を考える」というもの。生徒たちは自分で考え、友達と相談し、また加藤教諭が用意した動画資料(NHK for School)なども活用して学習を進めます。

本時の学習の流れもあらかじめスライドで提示。生徒はこの流れを参考に自分なりのペースで学習を進めます。

加藤教諭は、「とにかくアイデアを出して、質問を作るというところが今日のゴールです。FigJam上で友達の知識を借りてもOK、AIの力も借りてもOKです」と指示を出します。

AIの力を借りるなら、私ならこんな質問をするかな。
「私の中学校の実態を調査したい。テーマの案を提示して」
こういうのも全然OKですよ。

アイデア出しに限らず、授業では必要なときにAIを積極的に活用することを推奨している。

生徒たちはFigJamを開き、思いついたテーマをどんどん書き出していきます。他の生徒のFigJamはいつでも参照可能なため、アイデアがなかなか出ない生徒や、考えがまとまらない生徒には、積極的に他者のアイデアを参考にすることを促します。

AIからの回答のスクリーンショットを全体チャットに共有する生徒もおり、教室全体でアイデアをシェアし合う協働的な学習が進められていきます。

自分の考えをまとめたら友達と話し合うなど「個別」と「協働」を行き来しながら学びを進めていく。

答えやすい質問とは何か? 吟味と対話を通したアンケートの設計

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