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ICTは学校教育に不可欠!授業改善への活かし方

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文部科学省は2023年度までに小中学校の児童生徒に1人1台の教育用コンピュータを整備することを決めました。学習指導要領を踏まえ、端末をどのように授業改善に生かしていけばいいのでしょうか。東京学芸大学の高橋純准教授に聞きました。

高橋純先生
東京学芸大学・高橋純准教授

高橋 純(たかはし・じゅん) 1972年生まれ。東京学芸大学准教授。専門は、教育工学、教育方法学。富山大学人間発達科学部准教授などを経て、2015年より現職。ICT活用によるわかりやすい授業づくりの研究に取り組み、全国の教委、学校に助言を行っています。中央教育審議会臨時委員(初等中等教育分科会)、「教育の情報化に関する手引」作成検討会委員。

キーワードはDX

新学習指導要領では、総則の「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の中で、ICTの活用や情報活用能力について書かれています。つまり、新学習指導要領はICTを活用して勉強することを前提に書かれているのです。そのことをまず、小中学校の管理職の皆さんには踏まえてほしいと思います。

もう一つ、知っておいてほしいのは世の中の変化です。ICTが果たす役割が大きく変わってきています。それに伴い、押さえておきたいキーワードがあります。それはデジタルトランスフォーメーション(Digital transformation、以下DX)です。日本語で言うと「溶け込み」となります。これは、ICTが何かの補助ツールという枠組みを超え、何かに溶け込んでいて切り離せないものになっていて、それによって世の中を変革していこうとする概念です。近年、これが世界的な潮流となっていて、世界中の多くの企業がDXを進めています。

DXの時代にはコンピュータがなければ始まりません。文部科学省がGIGAスクール構想により、2023年度までに児童生徒に1人1台の教育用コンピュータを整備しようとしているのは、大きな視点に立って「コンピュータがあるのは当たり前の世の中にする」ことが目的なのではないかと思われます。

ICTが不可欠な理由

小学校の学習指導要領の解説の総則編、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」のページには、「生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることが求められている」という文言があります。私は、これが非常に重要なメッセージだと思っています。主体的・対話的で深い学びとは、子どもがやがて成長し、最終的には保護者も先生も周りにいなくなっても、一人で学び続けられるようにするためのトレーニングの一種なのではないでしょうか。

子どもたちは将来、ネット上のeラーニングで学んでいくことになるでしょう。そのときにICTを使うだけで疲れ果てているようでは、勉強にならないと思うのです。やはり、子ども時代から学校で「主体的・対話的で深い学び」を、ICTを使いながらし続けることで、生涯にわたって能動的に学び続けられるような人材に育っていくはずです。ですから、ICTは学校教育にとって不可欠なものなのです。

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